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試作済みチューニング用スリーブの寸法と更に熱対策

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先日のガスケット記事で”シリンダーライナー”と書きましたが、Z系含む空冷エンジンの場合は“シリンダースリーブ”と呼ぶ事の方が多いので、後者の方に統一します。
 
さて、これは何種かのサイズで試作したシリンダースリーブの内の1本。
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72mmボア以上のチューニングエンジン用となります。
試作と言っても、同様のものを当社で都度製作しては73~74mmボアの数十台のエンジンに組んでいますので、製作個数としては既に量産品並みの実績があるものです。
 
 材質は耐摩耗性に優れ、一品製作の高性能スリーブ用として使われるボロン鋳鉄(一般にターカロイの名で知られています)
 
上部ツバのある部分の寸法はZ1000系に準じています。
この部分は出来れば直径で3mmばかり大きくしたいところですが、それを行うとカムチェーントンネルのOリングが干渉して使用出来なくなるからです。
ブロックに当たる部分の寸法と、ケース側に入る部分の寸法はオリジナルです。
 
まず、シリンダースタッドの為のスルーホール位置を考えると、オイルリークをさせない為のガスケットの幅を残した場合、シリンダースリーブ外径は78mm強が限界である事が判っています。
実際ワイセコのKA629あたりの大きなスリーブを無加工で入れるのに合わせてケース側の下穴を拡大すると、ベースガスケットの最も幅の狭くなる部分が2mm前後となり、極端にオイルリークの可能性が高まります。
(それ用のサイズのCGベースガスケットも設定していますし使用して良い結果は出ていますが、寸法的にマージンを取ったものに比べればさすがに耐久性は劣ります)
余談ですが、何度ガスケット交換してもベースからオイルが漏れてくる場合、ケース側の下穴を大雑把に拡大し過ぎてガスケットが面間で挟めなくなっている場合があります。
こうなるとクランクケースを交換する以外にはオイル漏れを解決する方法は無くなりますし、ガスケットの当たり幅をきちんと取る為にもケース側の加工は正確に最小限に行う必要があります。
 
又、シリンダーブロック側ですが、81mm超のスリーブを入れる為に肉厚の薄いZ1やZ2(RS)系のブロックのスリーブホールを拡大すると、途中に外と通じる穴が開く場合が多々発生しますし、運よく個体差で開かなかったとしてもペナペナになった剛性の無いブロックをヘッドナットで上から締めれば、踏みつけたアルミの空き缶の如く縦に潰れて変形するかも知れません。
何せスリーブはブロックの上から挿し込んであるものですので、上から押さえ込めば薄くなったブロックを広げながら沈むだけです。
 
 
以上の様に耐オイルリーク特性を重視してブロック強度も考えるのであれば、外径78.5mmがZ系スリーブの寸法的限界であると考えます。
ボーリング後肉厚を安全マージンを残して片側2mm残した場合、インストール出来るピストン径は74mm、使用環境次第で1.75mmを許容とすればギリギリ75mmとなります。
 
ちなみに1.5mmを切ると、
”ただちに問題は起きないが、長期的に見た場合は寿命的に劣ってくる可能性が高い”
となります。
その薄さになりますと、明らかな加工ミスやセッティング不良等の扱い方の問題以外でこそ壊れる例はありませんが、スリーブは摩耗よりケース側に飛び出している下側部分が回転方向に変形して寿命を迎える事が、これまでの経験で判っています。
 
さて、寸法的に理想に出来たとして、機能パーツとして性能を上げるにはどうするか。
このボアになりますと、排気量の大きさはもちろん圧縮も上げられる場合が多い為、スリーブからの放熱特性も向上させたいです。
 
大体が、Z系で良く起こるスリーブの緩み自体、鋳鉄スリーブからアルミブロックへの熱伝導性の悪さが原因の一つでもあるからです。
そう考えた末に採用して、いくつかのエンジンで良好な経過が見られているのが、写真の銅メッキ化です。
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これは、メッキの乗り方を確認する為に、Z1の中古シリンダーに銅メッキ後、加工を施したものです。
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シリンダースリーブ外周へのメッキ化は、二輪四輪問わず水冷エンジンでのラジエター液よりの保護(錆の発生やキャビテーションによる表面浸食防止)の為に行われる場合が多いのですが、
アルミに倍する熱伝導率と、素材の柔軟性を利用して冷却性の向上に使おうというわけです。
 
量産空冷エンジン用の純正パーツに行うにはコスト高ですし、構造自体の変更で対処出来る場合が多いので採用される事は少ないのでしょうが、構造を今更変更できない(ブロック肉厚の変更や、スリーブの鋳込み化なんて無理です)Zの場合であればありでは無いかなと思います。
 
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これについての詳細はまた次回。

MKⅡ&MKⅡ

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エンジンリビルトやチューンと同時にP(J)ミッションへと換装メニューを選択される事が本当に増えました。何と言っても純正新品部品という安心感と、Z系に比べてギア比の適正化を始め確実に進化&強化された事も魅力ですね。
 
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これはMKⅡエンジン。車体から全てのレストレーションをお受けした車両のエンジンです。エンジン自体の仕様は基本的にSTD+秘密のファインチューン(笑)。
 
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各部の調整を何度も繰り返し、気持ち良くスルッ!カキン!とシフトが決まります。ポジティブニュートラルファインダーが使える様になった事でPミッションをZにコンバートするメニューがより現実的になりました。せっかく新品ミッションをコンバートしたのに、STDよりも使い勝手が悪いのでは本末転倒です。
 
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こりらも同じくMKⅡエンジンのリビルトですが、ミッションはSTDのリビルトです。
 
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位相ズレ等で頭の痛いMKⅡクランクですが、この個体は優秀。いいクランクです。
 
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その横ではまたまたMKⅡクランク。なぜかMKⅡ続きですが、腰下を割って取り出したクランクのチェックは毎度「ズレてんなよ!」「お願いだから・・・」と言う気持でのぞみます(笑)。
 
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一番奥で地道な作業をしているこのCロアケースもMKⅡの物。洗浄点検後に、各部をもう一度点検、ネジ山の清掃点検、各部のバリ等の除去等。「顔は写さないで下さい・・・」等と芸能人みたいな事を言う手タレは竹部です(笑)。
 
 
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こちら、僕の担当となったZ2エンジン。これから分解の為スタンドにセットし、取り合えずヘッドカバーを開けた所。この先数十年開けなくても良い物に!という厳しいリクエストにやる気満々、ですがお腹が空いてきたので、分解は明日にします(笑)。
 
 

原因

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こんな事もあるんです。

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これは、シフトペダルシャフト部のオイルシールですが、見てみると鉄の破片が刺さっています。これが原因のオイル漏れです。

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そして更によく見てみると、その破片が半周程のラバー部を裂いて口を開いています。

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この方は、最近エンジン下に拳程のオイル溜まりが出来ている事に気づき入庫!最初はジェネレーター付近を疑いましたが・・・
何故この破片が刺さったのかは不明ですが、ドライブチェーンが程近い場所なので、何か拾ってしまったのかも?しれませんね。

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とても綺麗な車両ですね。少しのオイル漏れや傷もすぐに気づきやすいです。
トランスミッションカバーを外す為、この際に他のオイルシールも交換!
シール類は常備ストックしていますので、作業は1~2時間程で終了!!

佐賀県より

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 佐賀県唐津市にて盗難被害に遭ったオーナーさんより情報拡散です。
 
 詳細はこちらのブログをご覧頂きたいと思います→http://blogs.yahoo.co.jp/tsuchiya_jidousha/25098943.html
 
些細な上でも構いませんので何か情報等がございましたらご一報下さい。
 
以上、宜しくお願い致します。
 
PAMS

シリンダースリーブよりの熱伝導性向上

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先日記事の最後で少し触れた、スリーブ外周への銅メッキについて。
 
Zの様な空冷エンジンのスリーブからアルミブロックへの熱伝導性を上げるのに効果的な方法として、
最近の空冷エンジン(特にシングルエンジンに多いのですが)では鋳鉄スリーブ外周そのものをリブ付きフィン形状のヒダヒダタイプにして、これをアルミブロックに鋳込むと言う方法が増えています。
(写真を載せたいのですが手元にありませんので、”スリーブ 鋳込”ででも画像検索してみてください)
 
これは構造の変更で対処した例で、スリーブとブロックの接触面積を増やしてやる事で放熱性を向上させる事はもちろん、ブロックの強度も上がり、スリーブ緩みによる抜けなど皆無です。
反面、ブロックの肉厚を若干増やさないとスリーブを鋳包む事が出来ませんし、いざボア拡大でスリーブを交換しようとすれば切削して除去するしかありませんから非常に高くつきます。
 
Zの場合は今更スリーブを鋳包む事は出来ませんので、筒形状のまま可能な限り接触面積を増やす工夫を行うわけです。
 
これは、鋳鉄スリーブの表面のアップ。
外周は切削加工で仕上げるので、精度を上げてもどうしても引き目は残ります。
これを研磨しても、鋳鉄の場合それそのものの平滑度を上げるに限界があります。
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そこで、柔軟性かつ熱伝導性の高い金属である銅を薄くメッキして、円筒研磨を行う事で平滑度を大きく向上させる事が出来ます。
銅はスリーブ外周の加工切削目の底まで分子的に密着しています。
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スリーブ外周が平滑であればある程、ブロック側内周との分子的な接触面積はマクロレベルで向上しますし、熱伝導性が高く(アルミの2倍近い)柔軟な銅が介在する事で、スリーブからブロックへの熱伝達がスムーズに行われるわけです。
 
もちろんこれは私が考え出した技術というわけではありません。
オートバイレベルでは到底考えられない様な長期間長距離に使われるエンジンのドライライナーに施されているものです。
ドライライナーのエンジンは水冷ではありますが、ブロック側に一度熱を吸収させるという点では同じで、冷却を空気かラジエター液かで行うのみの違いです。
反対に、直接ラジエター液をスリーブに当てるのがウェットライナー。
その場合は外周に施す事があるのは、錆やキャビテーションによる浸食を防止するの為のクロームメッキです。
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シリンダースリーブよりブロックへの熱伝達性が向上して温度差が小さくなれば、長年使われたZ(特にブロックの薄い初期Z1系)で発生し易いスリーブの緩みも緩和されると思います。
 
又、副次的な効果としてですが、スリーブの圧入や抜き取り時に柔らかい銅が滑る事で、アルミ製のブロック側への縦傷を生じさせ難いというメリットもあります。
 
 
 
さて、ここからはちょっと外れた話になりますが、下の写真は私のノートPCのCPUやグラフィックチップの冷却系です。
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一部のノートPCを除き、冷却系はヒートパイプで熱を交換器(ヒートシンク)迄導き出して電動ファンで冷却するという方法を取っています。
 
ヒートパイプはただの銅の棒では無く、パイプ状の内部を冷媒が循環する事でほぼ音速にも等しいスピードで熱を運び出すのですが、CPUを含むチップからの熱伝達面には必ずこの様にサーマルグリースと呼ばれるペーストを塗ります。
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素人感覚で考えれば、熱伝導性に劣るグリースやオイルの類なぞ塗ったら熱伝達の邪魔になりそうですが、このグリスはチップと冷却盤との間で分子的に面接触しきれない僅かな窪みに入り込みます。
グリース(通常は耐熱性の高いシリコンです)自体の熱伝導性は通常金属程に高くはないのですが、それでも接触部分に空気が入り込むよりは遥かに良いのです。
気体や真空の状態が最も熱伝導を阻害しますから。
この為、サーマルグリースを使うのと使わない場合では冷却性能に雲泥の差が出る事はPCの世界では常識で、技術的にも証明されています。
 
もちろん、CPUのチップ面と冷却盤面が接触出来ない程大量に塗ってしまうと熱絶縁されて冷却効率が下がりますので、極薄く塗って冷却盤とチップの間にテンションをかけて接触させます。
上の写真では明らかに塗り過ぎなので、CPUの交換と同時に丁寧に拭き取ってやり直しました。
(余談ですが、PCの分解や部品交換等の改造作業は自己責任です)
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これが、サーマルグリース。
熱伝導性の高い超微粒子の純銀を混入された数グラムで¥1,000~¥2,000以上したりします。
更に性能の高いダイヤモンドパウダーの入ったものだと呆れるくらい高価です。
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シリンダースリーブの圧入時に外周に塗ってやれば冷却効率が高まる様な気もしますが、その前にブロック内部の平滑度を上げて、更にスリーブとの圧入クリアランスの方が遥かに大事です。
 
もちろん加工が適切に行われている事を前提に、それでも加工目等の関係で生じてしまう僅かな空間を埋めるのに、コストに見合う良い材料があればありだとは思います。
ダイヤモンドとは言いませんが、銅や銀より熱伝導性に優れるグラファイトペーストなるものも存在します。
 

セパハン ブラザース

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      久々のツーショット
      製作させて頂いてかなりの年月が経ちますが、相変わらずカッコイイです!
      過去3台製作させて頂いた、タンク凹ましセパハンのうち2台です!
      仕様の小変更をしながら、大切に乗って頂けてる様で、とても嬉しく思います。
      今回も、ハーネスの見直しや、ウインカーなどの変更、等々ご相談させて頂きました。
 
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      部品の手配が終わりましたら、ご連絡差し上げます!

分解

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              先日も少し登場したZ2エンジン、分解が終了です。
 
 
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単体にてお持込頂いたエンジンをスタンドにSET、オペの準備が整いました。48年製ですから40年選手というわけです。まずは簡単に分解工程を画像で並べてみます。
 
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ヘッドカバーを開けてみたところです。オイル焼け等による汚れの付着は見られますが、年式を考えれば上等です。カムホルダーボルトも健全、カムホルダーも揃っている様でまずは一安心。カムシャフトはノーマルです。
 
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次にIN・EXカムシャフトを取り外します。何箇所かカムホルダーボルトの回りに渋さが認められましたが、軽症です。カムメタルも健全な状態、というよりも過去に交換されてそれほど距離を重ねていない印象です。
 
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                                   リフターもSTD、少々磨耗による変形が見られます。
 
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割とトラブルの少ないTOPアイドラーなんですが、画像では解らないものの、内部でアイドラーギアがベアリング部分と分離を起してガタガタと動いてしまう状態です。
 
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                      この時点でヘッドには大きく問題となる損傷等は無さそうです。
 
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いきなりですが、ヘッドを下した状態に。センタートンネル部のシールに異形Oリング(GK)の入らない初期型特有の一枚物のヘッドガスケット。
 
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場所によって少々WETなピストンTOP。既に0.5mmへとオーバーサイズ化されているのがわかります。
 
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テンショナー側のアイドラーギア。ベアリング部分が完全に剥離して2ピース状態。毎度のお話ですが、定期的にカムチェーンテンションのチェックと調整を行っていた車両ではあまり見られない現象なんです。事実オートテンショナー化されたMKⅡではそれ以前のモデルに比べ少ないトラブルです。
 
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          テンショナーローラーです。少々脱線気味にドライブされた痕跡があります。
 
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シリンダーブロックを抜いた所です。シリンダースタッドの根元周辺にあまり小石や砂等の溜まりが少ない所を見ても、以前手を入れられてからそれ程距離を重ねていない事が想像できます。余談ですが、普通はシリンダーを引き抜くとバラバラバラッツ!っと堆積した小石や砂が落ちて、クランクケースの中に入らない様気を使います。まぁ何と言っても40年ですから。腰下まで開ける時はそれほどでもないのですが、腰上のみとなるとハラハラします(笑)。
 
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顔を出したピストンです。既に0.5mmオーバーサイズとなっていますが、こちらは純正部品ではありませんでした。リングの当たり方もまだ線アタリでこちらも距離を重ねていないという証拠。ただ、その割にはピストンスカートのアタリ方にムラが多いのが気になります。
 
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スリーブ内にも距離の割には深い縦傷や強いアタリがあるのが気になります。計測と検証作業はあとでまとめて一気にいきます。ちなみに傾向としてZ2・1系で懸念されるスリーブの緩み現象ですが、この個体は優秀。全く緩みが出ていません。
 
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カムチェーントンネル前方より取り外したスライダー(ガイド)。折損等のダメージはないものの、なんだか見た目にシックリ来ません。なんだと思いますか?
 
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なぜか画像の様に、丁度シリンダーブロック下面に切られた溝にはまる部分へダウウェルPINを被せて一回り太らせていたんですね。でもなぜ?
 
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たぶんなんですが、以前にこのスライダーが折れ内部で暴れ、この溝部分を大きく広げてしまった。そこで大きくなった溝に合わせてスライダー側を太らせた・・・ではないかと推察するのですが、出来ればブロック側を溶接・整形等でちゃんと直した方が精神衛生上宜しいかと思います(笑)。
 
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ここで大変な事に気が付きました!なんとフルレベルでエンジンオイルが入っていました。このまま気が付かず腰下分解工程に入り、スタンド上でクルッ!っと180度回転させようものなら、オイルまみれで大変な事になるところでした。早速血ヌキならぬオイル抜き。
 
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空冷Zのオイル漏れアキレス腱の一つでもあるステーターコイルから出る三相交流のコード取り出し。苦労の跡は認めますが、どんなに液ガス塗り重ねても、毎度の事なんですが元をシッカリ対策しないとすぐまた漏れ出します。こうなるのなら、液ガス塗らない方がいいです。結局漏れる訳でして、だったら何もしていない方が再対策が楽です(笑)。]
 
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血ヌキが完了後、クルッっとひっくり返してオイルパンを外してみます。どうやら腰下は過去に割られた事は無さそうなムードです。
 
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やはり、腰下は開けられてなさそうです。少なくとも以前腰上に手を入れられた時には腰下もオイルパンも開けられていないと思います。期待通り?にビッチリと溜まったスラッジ。洗浄し甲斐があるってもんです!ただ、指でスラッジを弄ってみると、ヘドロの様なスラッジに混ざり、底にが細かく砕かれた様な物が散らばっていて気になります。勿論、洗浄後にそいつが何ものかを突き止めたいと思います。
 
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     何事もなく、無事クランクケースが割れた所です。40年間お疲れ様!と声を掛けてやりました。
 
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取り出したクランクシャフトです。サビも少なく割りとキレイな部類のクランクシャフトです。目に見えて大きな問題は認めず、簡易的な位相ズレも同時にチェックで問題なし。
 
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STDのクラッチハブとトランスミッション。後に分解チェックを行いますが、クラッチハブのダンパースプリングに大きな緩みが数箇所見られます。こちらも良品に交換か新品のJハブかで行きます。
 
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という訳で、バラしたエンジンを作業テーブルの上に一先ず並べ、分解したまんまの状態をオーナーさんに見てもらいたく。この後全てをキッチリ洗浄、点検を施した上で状態を把握し、オーナーさんと一緒にメニューを決めてゆく感じです。
 
この先「開けなくても済む」エンジン、気合を入れて組ませて頂きます(笑)。
 
 
 
 

HELP?

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 Zとは関係の無いネタですみません。
 
仕事柄工場でエンジン等を組み始めると、閉じ篭りっきりで午前様なんて事も当たり前なのは創業から今も変わっていません。そんな日常の中、この10年間程は子供達の方からファクトリーへ遊びに来るのが当たり前となっていました。
 
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しかし、不思議な事にオヤジの背中を見ているのか、気が付けばいつも工具を持っては首を傾げながらエンジンの前に立っています(笑)。
 
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お手伝い・・・と言って必ず手を出したがるんですが、まぁ邪魔なだけです。(笑)
 
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    不要なケースを外で洗わせていると、大人しかったりするわけです(笑)。
 
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                ちょっと目を離すと・・・こんな事に。
 
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しかし、最近ではすっかり手際も良くなりました。小学校から戻ると修行の身。リングの合い口隙間計測なんてお手の物。ほんと大きくなりました。我々も年をとるわけですね。追いつかれない様に頑張ります!(笑)
 
 

シリンダースリーブ外周へのオイル侵入について

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先日アップした下記リンクの記事に対して、
何人かのユーザー様より似た内容の質問をいただきました。
 
サーマルグリースと呼ばれるペーストを接触面に塗布する事で熱伝導効率が上がると記載したのですが、シリンダースリーブが緩んだ際にブロックとの間に熱伝導性の悪いオイルが侵入すると熱絶縁されて冷却効率が落ちる筈ではないかとの事です。
同様の疑問をお持ちの方も多いかも知れませんので再度記事にします。
 
確かにエンジンオイルやグリス類の熱伝導性はアルミや銅はもちろん、鉄を含む金属に比べると遥かに低いです。
前回記事で使った、銀の微粒子を混ぜた高級品ですらアルミの20分の1の伝導率に足りません。
これがエンジンオイルになると数百分のレベルです。
 
ただ、オイル侵入によって冷却効率が阻害されているかと言うとこれがそうでは無く、元々スリーブとブロックは圧入状態で金属面が密着している状態で熱を受け渡ししているわけですから、その間にオイルを塗ったところで別に密着が落ちるわけではありません。前回記事のPCチップの冷却系と同様にむしろ圧入接触面に生じている微細な空間を埋めることになりますので熱伝導率は上がります。
熱伝導率は 個体>液体>気体>真空 となりますので、それらの微細空間に空気が入ったり真空の隙間が出来るよりはベターです。
圧入されたシリンダースリーブとブロック間の面祖度は、PCチップとその吸熱盤のそれとは比較にならないほど粗いので、この隙間を埋めてやると更に効果は高くなります。
逆に、途中空間を真空や乾燥空気にする事で熱伝導を抑え、保温性を狙ったのが魔法瓶や断熱ガラスです。
 
それではシリンダーブロックではどうなると熱の抜けが悪くなるかですが、これは当然スリーブとブロック間の密着が弱まった時=緩んだ時です。もちろん圧入はされていますので接触はしていても、密着圧力が低下すると分子的なマクロレベルでは接触面積が大幅に低下します。
こうなると熱伝導する為の通り道が狭くなるのと同じ状態になりますので、当然冷却性は低下します。
 
余談ですが、金属間の電気の導電性も熱伝導性と同じで、接触面圧の高い低いに少なからず影響を受けます。
当然面圧が高い程接触面の抵抗値は低くなり、通電性が向上するのは電気系の常識です。
 
又、オイルやグリスは不導体で電気抵抗が極端に大きいのですが、これを端子接触面に塗布しても組み込み時には電気は流れますし、抵抗が増える事はありません。
これもやはり、接触面では金属分子同士が触れ合っているからで、オイルやグリスの存在はむしろ接触面の酸化防止になる程です。
 
さて、緩みが度が過ぎて進行してしまったシリンダーブロックの場合ですが、スリーブを抜くとオイルでベタベタに濡れている場合が通常です。
それを見て冷却効率の低下はオイルが原因と考えてしまうかも知れませんが、出来てしまった余計なクリアランスにオイルが侵入するので当然です。
従ってこれはあくまで結果であって原因ではありません。 
シリンダーブロックの冷えが悪くなるのは、膨張収縮を繰り返す度にスリーブとブロック間に不可逆の過大なクリアランスが生じるのがその理由です。
 
 
ここまで読むと、じゃオイルがブロックとスリーブ間に浸みても全く問題ないのかと言えばそれも違います。
 
写真は40年前のZのものでは無く、ゼファー1100のスリーブです。
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ゼファー1100のシリンダーは、ブロック側の外から見えない位置に、Z1100系(1100GPとかGPZとか)の様にOリングを埋め込んであります。
もちろんこれはケース側からのオイル浸みこみを防止する為のもので、Z1系の様に下から押しこんでいるだけのものより効果はあるはずにも関わらずオイルが全体に侵入した跡があります。
(下部の濃い茶色の帯の部分がOリングの跡です)
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 このあたりはZに限らず熱膨張を繰り返す空冷エンジンの宿命なのかも知れません。
実際Z程では無いにしても、初期のものでは20年選手のものがあるのです。スリーブ交換時に結構容易に抜けるゼファー1100は多いです。
 
問題は僅かながらに上がったオイルがどうなるかで、循環しているわけでも無くスリーブ成型時に表面に生じた引き目の凹部分に入ったオイルが、シリンダー側からの熱で焼けて粘性のスラッジになりかけています。
ここまで焼けるのはZではあまり見られないのですが、使用環境が過酷だったのかも知れません。
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純粋なカーボンならともかく、焼けて乾いたオイルは熱伝導特性が良いとは言えません。
この症状が酷くなる様であればオイルの侵入が冷却性を落とすと言えない事も無いでしょうが、これにしてもスリーブ面の凸部分がブロックにきちんと接触していて、スリーブそのものが緩むほどで無ければここまで全面になる事は無いはずです。
 
さて、結論から言えば、ブロックの冷却効率の低下には、スリーブの圧入状態が大きく影響します。
金属面と面がきちんと圧力がかかって接触さえしていれば、多少のオイルの侵入は(良いわけじゃありませんが)濡れている状態では熱伝導性を極端に大きく損なう事はありません。
もちろん、正しいクリアランスで圧入状態を保たれているシリンダーの場合、問題になる程に多量のオイルが侵入する様な余地は無いのですが。
 
以上、ご質問いただいた方や疑問に思われている方々への回答とさせていただきます。

ヘッドカバーガスケットの加工

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普通に組んでやるだけで、ほぼ100パーセントオイルリークが回避できるとの事で、
一般ユーザー様はもちろんの事、各専門店でも高評価をいただき、まとめてのリピートオーダーをいただく事も多いCGヘッドカバーガスケットですが、基本設計はもちろんノーマルのヘッドカバーとヘッドに準じています。
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又、ガスケットの厚さですが、純正は約1.5mmあり、その厚さで柔軟性を持たせてシールさせようとしているのですが、それ自体がヘッドカバーの歪みを引き起こし易くなっている事を考え、当社製のものは1mmとしています。
 
もちろんノーマルのエンジンであれば、各年式の車両においてヘッドカバーが0.5mm薄い事に起因する干渉や問題が起きない事は確認済みです。
 
但し、純正リフト量を数mm単位で上回るカムシャフトを使用していて、ヘッドカバー内部を逃げ加工して組んである様なカスタマイズ車両の場合、ヘッドカバーが0.5mm下がる事を前提に組み付け前に仮組みしてクリアランスを確認の上、場合によっては逃げ加工の追加を施す必要があります。
 
更に、シリンダーヘッド内部のカム軌道部分も逃げ加工を行うレベルの場合、ガスケット内側をカットする場合があるのですが、写真の様にCGヘッドカバーガスケットは柔軟なグラファイト層の中にコア材として硬いファイバーが封入してある為、普通にカッターで引いて切ると表層のグラファイトが剥がれて断面も大きく荒れてしまいます。
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もちろん本来メーカー側より商品の改造を薦めるべきではないかも知れませんが、最悪失敗してもオイルが滲むだけですし、自己責任で作業を行っていただく事を前提に加工方法をお教えします。
 
切削加工を行う場合はこのタイプのアートナイフを使用します。
画材屋や最近ではamazonなんかの通販でも購入出来ます。
刃はこの様な曲線刃が使い易いです。
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通常のカッターの様に引いて切るのではなく、カッターマットの上で直下に向かって押し切る様にカットすると断面を荒らさずにカット出来ます。
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実際のガスケット製作時にも、プレスでカットしています。それに倣ってこの方法で行うと綺麗に切れます。
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MK2立ち上げ!

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暑いですね~!各地で梅雨明けが宣言され、ここ横浜でも突然の猛暑という感じです。まだ7月前半、jもっと暑くなるんでしょうか???
 
さて、本題に戻ります。レストレーション&カスタムでお預かりしていたMK2ですが仕上がったフレームにアシを組み付け、組みあがったエンジンを搭載。立ち上げが完了したところです。バイクは立ち上がっても、こちらが暑さで立ち上がれなくなりそうですけど(笑)。
 
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フレームはセンター出しにパウダーコート。補強等は一切加えていません。あえて言うならレイダウン加工を施した部位のみ。
 
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STDスイングアームに補強を這わせます。この補強も随分とトライ&エラーを繰り返しました。固めすぎてもダメ、意味無く入れても重くなるだけ。この数年でやっとベストが掴めてきた感じです。
 
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Rサスにはナイトロンをチョイス。ホイルはマグタンでディスクローターにはサンスター製を奢っています。派手さはありませんが、渋めのオーナーチョイス。
 
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電装も当然一新。フルハーネス交換にHP・FUSEシステムにグレードUP。
 
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  点火システムにはASウオタニ製SP2を専用マウントブラケットを用いてSET。
 
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       メーターは純正をリビルト、そして下フリタイプに書き換え。
 
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エンジンも腰下からキッチリとリビルト。トランスミッションには新品でPミッションをコンバート。
 
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密かに?ご好評頂いているキックシャフトOFFカバー。アルミビレットからの削り物が主流ですが、エンジン全体のムードに溶け込んで欲しいという想いから、あえて砂型鋳造で作りました。
 
火入れに向けて、もうひと踏ん張りです!
 
 

ピボットベアリングキット揃いました。

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PAMS Z用ピボットベアリングキット
改良改版した製作部品が揃いましたので、デリバリー開始です。
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ノーマルだと焼き付いて動かなくなり易いZ1,Z2~Z900,Z750(A4,A5)の金属ブッシュタイプのスイングアームを複列のニードルベアリング化
 
又、純正スリーブカラーが欠品して久しい、リアディスク車のZ1000(Mk2含む),Z750D1, FX1の整備も可能となります。(金色のスラストブッシュが入って無いキットの設定となります)
 
各部部品に対してのこだわりは、以下の記事もご参照ください。
 
絞め付け後のピボット剛性を保つ為に厚くしたピボットカラー。
今回最も大きな変更となった、従来品とはレベルの違う仕上がりです。
適正トルクでピボットを絞め付けても、工具への手応えの違いががはっきり判る程です。
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若干の重量増加にはなりますが、ストロークする足回り加重に含まれる部分ではありませんのと、得られる剛性のメリットを考えてそちらを優先としています。
 
電気溶接して製造される巻きパイプ製では無い為、パイプ内に溶接ビード等は存在しません。
内部はガンドリルで仕上げています。
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極厚のシームレスパイプの外周部を切削し、Zのスイングアームピボットパイプにぎりぎり収まる寸法にしました。
この為カラーの組み込み時にはグリスニップルを取り外す必要があります。
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この際、摩耗や腐食しているニップルを交換出来るように、新品ニップルをキットに加えました。
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車重はもちろん、後輪にパワーが伝わる際には大きな加重がベアリングのニードル部に生じます。
これに長期対応出来る様、ベアリングメーカーが指定する硬度を上回る表面硬度を施したスリーブ。
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耐摩耗性と強度を確保する為に採用している砲金(ガンメタル)製スラストブッシング
以前真鍮を使って試作してみたら、ある程度走行した際の摩耗具合が気持ちよくなかった為、量産品では昔から砲金を使用しています。
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ピボット軸部分は人間の体で言えば腰の中心です。
腰がしっかりしていないと、どんなに手足を鍛えてカスタマイズしても生かす事は出来ない重要な部分ですので、サスやホイール、タイヤの変更にも優先して真っ先に整備をお勧めします。
 

続々と・・・でもないか?

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続々と・・・と言いたい所ではありますが、極力化粧直しの入っていない素性のしっかりとした車両を!となれば、なかなか思う様に車両が集まらないのですが、今日も一台アメリカ帰りのZ1が入庫です。これから細部に渡ってチェックを繰り返し状態を把握した後に、数台まとめてご紹介させて頂きたいと思います。
 
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      最近では珍しくなったカリフォルニアからの帰国です。おかえり!

取付けて見ました!

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少し前にHIDを紹介していましたが、*http://m.blogs.yahoo.co.jp/pams_jp/62348081.html
今度は私のバイクにLEDライトを取り付けてテストしてみます。
やはりH4バルブに比べると、とても明るいですね。

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皆さんも既にご存知の通りLEDの、消費電力は遥に低くH4バルブが60Wに比べて、20Wとかなり低いです。冬場のヒートジャケット使用時には、^_^の状態に・・・

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皆さんの中には、「旧車のオレンジがかった感じが良い!」や「いやいや、オイラは明るい方が!」
色んな方がいらっしゃるので、ご自分の環境や状況、思いで変えて行くのも良いでしょうね。

因みに、取り付けは簡単です。

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今まで取り付けていたH4バルブを取り付けていた様にカプラーオン!ですが、LEDコントローラーが一つ!HIDで言うバラストみたいな物!

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それはライトケースから出して別部分に取り付けなければならない事だけです。

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それとこれは、ファンが付いてます。
熱を発するので、PCについているような冷却用のファンです。
ライトONで冷却用ファンが回り始めます

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余計なプラス・マイナスを取る必要がないのが簡単です。

もう少しライトONで乗って見ます(笑)

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以前にエンジン等手を入れさせて頂いた970cc仕様のZ2。
 
旅に出ますとお便りを頂き先程途中の画像が送られてきました。
 
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現在、福井県三国にいらっしゃるそうです。
 
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関東在住のオーナー様、どこまで行かれるのかは分かりませんが、道中気をつけて良い旅にしてください。
 
お便りありがとうございました!


GPコックオーバーホール

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整備点検でお預かりさせていただいているZ750GP
以前に当社でエンジンのオーバーホールや点火系の換装を行っています。
 
純正燃料コックからの滲みが起きたので、PINGELに換装されたとの事でしたが、
CRキャブにモロに接触して乗り上げてしまったそうです。
しかもレバー位置を変えるのに、タンクを持ちあげないと出来ませんから困ったものです。
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タンクのマウント部下にナットをカラー代わりにして持ちあげられた様ですが、それでもキャブとコックは当っています。
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Z750GPは元々インジェクションで、寸法的にあまり余裕がありません。
背の低いスロットルボディならまだしも、キャブに換装した場合は燃料コックを純正の小さなもの以外の使用は困難です。
 
取り外された純正コックをお持込みいただき、リビルトにかかります。
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当時ものコックにお約束の様に、ゴミ取りメッシュが欠損しています。
内部にはカリカリに硬化したガソリンカスやゴミが詰まっています。
こうなると侵入したゴミでコック内部を痛めるばかりか、キャブに落ちればオーバーフローの原因にもなります。
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滲み出したガソリンと汚れが硬化して、飴のコーティングの様になっています。
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とりあえず分解して内部点検。
ボディ内部のテーパー部に大きな摩耗や傷が生じていないのは幸い。
これなら整備可能です。
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とりあえず3日程灯油に付け込んでガチガチに固まった汚れをふやかしてから洗浄して清掃。
純正コックボディは鋳物表面に処理を施されているのか、ガソリンと汚れでコーティングされていたのが幸いしたのか思ったより綺麗になりました。
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内部のロータリー樹脂はテーパー部を研磨して傷取りとパッキンやOリングは交換。
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ストレーナー部分は単品パーツでの設定が無い為、新品で入手可能なコックからの部品取りという贅沢仕様です。(Oリングやパッキン、その他の部品新品からも転用しました)
上側のメインストレーナーは寸法の合うものがあったのですが、短いリザーブ側は圧入径が合わなかったのでボディ側を拡大加工して装着しました。
リザーブ側はタンクで最も低い位置になりますから、これが無いとコックにゴミが入り放題、パッキンやボディも痛むので欠かせません。
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オーバーホール終了。
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装着しても干渉なし。
ガソリンの滲み漏れも無く、オンオフリザーブにレバー廻しても問題無し。
実際CR以外のキャブにしても、このクリアランスだと純正以外使えそうに無いですね。
元々このインジェクション用のコックは、多量のガスをガンガン循環させるのに結構大容量になっているので、不足になる事も無さそうです。
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 当時モノ部品をきちんと機能再生するのは、社外品への新品アッシ交換よりコストや手間がかかってしまう場合があったりしますが、構成上純正以外使えない場合や、ルックス上外せない場合があったりしますね。

続・旅

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昨日ご案内した旅に出いている970cc仕様のZ2。
 
本日は能登半島を回るとのお便りを頂きました。
 
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どこを目指しているのかはお伺いしていないのですが・・・
ノープランな感じでしょうか?
 
お気をつけて!
 
 
 
 

乗る楽しみ

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   車検で入庫のZ1Bです。
 
   タンクの取り付けられたバックが乗って楽しんでらっしゃると伝わってきます。
 
 
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納車して約一年が経過した「認定USED」ですが、納車時は完全にフルノーマル・オリジナルの極上車両。それをオーナーさんの好みで少しずつライトカスタムを施しながら今日に至ります。目に付く所では、Rショックやシート、そしてキャブレター等に手が入りますが、いつでもノーマルに戻せる状態です。
 
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納車後は全くノントラブル、長いことZ1を探し続けていたオーナーさんと最高の巡り会いが出来たこのZも幸せですね。ペイントもシートも当時からのオリジナルという今では非常にレアな個体ですが、ノーマルパーツをしっかりと保管し、いつでも元に戻せる状態だと考えれば、その範囲で自分の求めるZ1を作り上げてゆくのも楽しみ方として大いにありだと思います。
 
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このZ1も最初は電装を始めとする目に付かない所から、信頼性と使い勝手の向上を狙ったチューンを施しました。そこからオーナーさんの好みで少しずつ手を加えるわけなんですが、実は購入したらすぐに自分好みのカスタムに・・・が難しい場合も少なくありません。
 
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と言うのも、まずはチューンやカスタムの前に「直す」ことから始めなければならない個体が多くなってきているという事です。生産から約40年が経っている事を考慮すれば当然と言えばそうなんですが、カスタム等は全てがシッカリした状態で初めて楽しめるもの。実はなかなかそこに到るまでが遠い道のりだったりするわけです。ここが旧いバイクの難しい所だったりするわけなんですが、上記車両の様に元々の状態が優れていると基本整備を施すだけで十分に楽しめてしまう、またはカスタムやチューンに専念出来たりするわけです。
 
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勿論同じ年式同士でも、当然程度が良くなればその分価格は上昇してゆきますが、経験上、その価格差以上に購入後のメンテや修理費等に差がついて逆転してしまう事がほとんどです。何より、購入してすぐ悩まず「乗って楽しむ」事が出来るのは健全なバイクの楽しみ方だと思うんですね。壊れる→直す・・・を楽しい、または旧車の楽しみ方だという意見もよく解るのですが、大半の方々はキレイなZで壊れず安心して、あとは走って磨いて楽しみたい!と思っているのではないでしょうか。メカである自分ですら壊れる・・・直す・・・嫌だぁ~!・・・そう思います(笑)。
 
そしてこちらも「認定USED」出のMKⅡです。
 
 こちらも納車時はペイントも何もかも完全にフルノーマル・オリジナル状態でした。
 
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今回は前後ホイルの交換で入庫ですが、上記Z1と同じ様に、いつでもノーマルに戻せる範囲でカスタムを楽しまれています。納車時から基本整備以外に直す必要のある箇所が無い極めて状態に優れた個体だったため、こちらも悩まず納車と同時に乗ることを純粋に楽しむ事が出来ている車両です。
 
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点火システムにはお馴染みASウオタニのSP2を奢っています。画像にはございませんがHP・FUSEシステムも同時装着。旧い車両では心配な電装系には全て手を入れた状態です。
 
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抜群の充電効率向上を誇るMOS・FETレギュレーターも装着。バッテリーの長寿命化にも貢献します。勿論最近は軽量小型でトレンドとなりつつあるリチウムフェライト型バッテリーにも完全対応です。
 
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今までのモデルより若干本体が大きくなる事、カプラーがダブルになる事で大柄に見えますが、車種別専用の取り付けブラケットをご用意し、ご覧の様にボルトオンでキッチリと簡単に装着出来る様にしています。
 
オーナーさん、ホイルの交換もうすぐ完了です!
 
二台とも、末永く思い切りZを楽しんで頂けたら嬉しいです。
 
 

車検対策?

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お預かりして引き続き点検をしていたZ750GPです。
 
試乗もと言う事でしたので、軽くそこらを廻って見たのですが、明らかに吹け上がり方がおかしい。
 
以前お預かりした際にセッティングしたCRキャブですが、季節の変化やエンジンの消耗で生じる様なレベルの変化で濃くなったというのとも違います。 
濃いのであれば意識的に先行して大きくアクセルを開けた際にはそれなりに吹けるはずなのが、かえってノッキングの様な症状が出て前に進まない。
 
そう言えばオーナーは多忙な仕事の為に近所のショップに車検を依頼して、その際に何かマフラーに加工して車検に通り易くしてもらったみたいな事言ってたのを思い出して、サイレンサーを取り外してみました。
 
・・・・・・・・
触媒??
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次から次へ、出るわ出るわのスチールウール
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鉄の鍋やフライパンの焦げ付きを剥がすのに売っているアレです。
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何故か出てきた4束がそれぞれ粗さや素材が違います。
各周波数の音を満遍なく消せると考えたわけでもないでしょうが。
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結局原因は車検対策に詰込み過ぎたスチールウールでした。
 
もちろん、同種のものをサイレンサーの消音ウールに使う場合もありますが、集合部の直後に大量に押込むのは明らかにやり過ぎ。
 
このZ750GPは80年代初期のバイクですし、明らかに反社会的な爆音を発している様な消音器不良な状態にでもしていなければ、このKERKERでも特に問題無くパス出来ます。
 
ただ、本来あるべきでは無いのですが、車検場や地方によって法に対する認識や解釈の基準に違いがある上、検査官の知識にも個人差が大きいです。
現実問題として結構不勉強なのがいます為、痛くもない腹探られて必要も無い時間を検査時にとられるのはかないませんから、絶対に文句の言われないレベルまで音量を下げちまおうと考える気持ちはわからんでもありません。
 
但し、この状態で走行するなんてとんでもない話です。
本来排気せねばならない燃焼ガスの出口を思いっきり潰しているのですからエンジンを壊す事にもなりかねません。
 
車検終了後には速やかに取り外さねばならなかったのを忘れたのかと思いきや、オーナーには引き渡し時にマフラー内部への詰め物で静かにした旨を伝えられたそうです。
酸素も少なくなっている筈の排気ガスで、ステンレスウールが青焼けしている位ですから相当な高温になったと想像出来ます。 
オーナーは堅い仕事の人で公道では普段大人しめに走る方なのが幸いしましたが、危ないところでした。
 

お色直し

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                     フレームの塗装その他コスメ的なメニューで入庫中のZ1。
 
 
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今回思い切って外装色を単色で鮮やかなREDに変更。個人的にはソリッドの単色系はZ1に凄く似合う気がします。全体的に70’Sを強く意識した仕上がりです。ホイルは前後レスターキャストに。
 
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BEETのセパレートハンドル。お世辞にも街中では乗りやすいと言えないセパハン仕様ですが、やはり独特な格好良さありますよね。
 
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             ソリッドの赤外装に黒エンジンが映えます。
 
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        ワイヤー引きタイプのバックステップもオーナーさんの拘り。
 
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                  ピカピカのVM29キャブ。
 
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一通り全体整備とお色直しメニューを施したZ1、ガラリとイメージが変りました。オーナーさんのイメージ通りになったでしょうか?もうすぐ完成です!
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