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エンジン負荷と点火時期の関係

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エンジン負荷とよく言いますが、これをわかりやすく言えば運転中のエンジンにかかる抵抗の事です。
 
例えば高速道路を走っていて、そこそこ高いギアであってもスピードさえ乗っていればアクセルは殆ど開く必要も無く、路面と駆動抵抗によって失われる分のみの僅かな力を加えるだけで同じ速度で走り続けられます。エンジンは苦しげな様子も無くゆったりと廻っている事でしょう。
流れ込む混合気量も少なく、燃費も良い状態の運転と言えます。
この状態は低負荷状態にあると言えます。
 
さて、例えば巡航中にギアポジションはそのままにぐいっと大きくアクセルを開いてみます。
バイクは加速体勢に入ろうとしますが、路面や車重に風圧の抵抗によってアクセルを開けても簡単には回転は上がってはいきません。
この状態は極端な超高負荷状態にあります。
 
ここで思ったより加速しないのでクラッチを切ってギアダウン。
負荷の減ったエンジンの回転上昇はもっとスムーズになります。
流れ込む混合気量はどんどん増大して、それに従って燃料消費量も増えます。
この状態は先程程では無いにしても加速を続けている限りそれなりの負荷状態です。
 
 
この各負荷状態においての理想的な点火時期ですが、理屈を詳細説明するとえらく長くなるので別の機会にするとして、最初のクルージング低負荷状態の場合は早く、最後の加速中の負荷状態では僅かにそれより遅く、
ギアそのままに開けた際の、加速はすぐには出来ないけれどアクセルを開けた際の超高負荷状態では最も遅くなります。
 
 
さて、ウオタニさんのところで作ってもらっているフルパワーキットのVer.PAMSの3次元マップがこれです。
これは2種類入っているマップのうちSTDレベルコンプレッションエンジン用。
ウオタニさんの元々のユニットに入っている純正車両用マップをベースに、若干の変更を入れたものです。
 
イメージ 1
 
この3次元マップは開度センサー等付いていない車両に装着する際に誤解や混乱を防ぐ為に標準マニュアルには記載して無いので、以前販売したモデルには入って無いのかと言われそうですが、9年前に販売開始したVer.PAMSにもちゃんと入ってます。
 
これを見るとアクセル開度で負荷を予想して必要に応じてベースカーブ(フラットな部分)から進角させているのがわかります。
又、開度全開=最大負荷状態と言う事で、100%の時のカーブが2次元の場合のベースマップになっています。(TPS等の補正信号が入力されない場合は、この最大負荷時のマップに固定されます)
 
 例えば、アクセル開度が1/3程度でエンジン回転が2500rpm程度だったとすると、おそらくはクルージング状態であると想定し、点火時期を進めます。(山の盛り上がっている水色の部分)
イメージ 6
 
同じ回転数でアクセル開度を開けて加速の為の負荷状態、更に大きく開ければ超負荷状態として点火時期は最も遅角したベースマップを使います。(フラットな黄色の部分)
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逆にローギアや2速の場合、アクセル開度が1/4~1/3程度であったとしても抵抗も少なく高回転まで廻ってしまいますが、この場合は負荷が少ないものとして高回転でも点火時期は進ませるようになっています。( 赤い部分)
イメージ 8 
又、アクセル開度が全閉になっている場合。
回転数関係無く全閉時に極端に進角させるとアクセルオフ時の走行中の回転の落ちが悪くなりますのでベースマップに等しいラインとなっています。(緑のライン)
イメージ 9
 
さて、点火時期にエンジン負荷を考慮しての補正ですが、基本的にはクルージング等の低負荷時に進角させる事で燃焼効率の向上を狙ったシステムですので、アクセル開度が少なく低負荷加速やクルージングの多いストリートマシンでは効果が大きいです。
逆にアクセルワークが加速やトラクションをかける事でリアグリップのコントロールを行う為にのみ行われるレーサー等では原則的に高負荷状態な為、殆どがベースマップに近いほぼフラットな部分を使っている事になります。
  
 
ここで簡単な実験。
 
アイドリング運転中のエンジンはそれ自体のフリクションのみの極低負荷しかかかっていない状態です。
 
アクセル開度は一定のまま点火時期を変えるとどうなるか。
初期設定の上死点前10°に設定した場合。
イメージ 2
 
1080rpm
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アイドルアジャスター(スロットル開度)は一定のままプレートを廻してアイドリング中の点火時期のみを更に10°程進めて上死点前20°にします。
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1560rpmに上がりました。
(ちなみにこれ以上回転が上がると、マイコン側で回転数による進角がスタートしますので、更に回転は上がって行きます。)
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 アクセル開度は上述の通り一定のままですから、アイドリングレベルの様な極低負荷状態では点火時期を進めるだけで燃焼効率が向上して出力が上がった事になります。
アイドリング程ではないにしても、低開度でもバイクが進んでいく様な低負荷状態では点火時期を進める事で同じ効果があります。
 
又、この状態ではアイドリング中の燃料はヒートしない程度まで絞る事が出来ますので、信号待ち等の多いストリートでは燃費も良くなります。
ただ、そういうセッティングを行うと、発進の為にクラッチミートして負荷がかかった瞬間のトルクが極端に低下する事になりますので、適当な匙加減が必要です。
 
余談ですが、これがインジェクションの場合はアイドリング時のみの薄めの燃調と早めの点火時期のマップを設定しておいて、アイドリングを検知したらそれを読み出す事で制御させる事が出来ます。
但し、キャブレターでそういったセッティングはなかなか難しく、発進時に必要なトルクを考えれば程々の空燃費の濃さと理想よりは僅かに遅めの点火時期を使用する事になります。
2輪4輪問わずキャブ時代の市販車で、市街地メインに使用されていた車両がどうしても燃焼室にカーボンが溜まり易かったのはこのせいもありますね。
インジェクションが導入された市販乗用車の街乗り燃費が大幅に向上したのは、こういった制御が導入された事も理由です。

NANAME

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          今となっては珍しくもない燃焼室への斜めスキッシュ加工。
 
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STDに対して大幅にボアサイズを広げた場合、効果的スキッシュバンドの確保と燃焼室径とピストンボア差による無駄なポケットを作らないと言った意味でも有効だと思います。
 
それに合わせたピストンの選択、場合によってはその追加工等、費用対効果をどう判断するかが微妙なところではありますが、個人的には好きな手法だったりします。
 
完全なイコールコンディションにて比較データが取りにくいのが悩みどころです。。。
 

adapter plate

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試作が出来上がってから、少々放置していたアダプタープレートを装着してみました。試作なので少々ラフな仕上がりを修正しつつヘッド側にFIT。
 
イメージ 1
 
今回は鋳肌のままですが、黒くペイントしてしまえばそれ程己を主張しなそうです。これで新品でも入手可能なkawasaki純正のスロットルボディがピッチ変更等の大きな加工の必要も無く使用可能になります。インジェクション化に踏み切りやすい純正スロットルボディの流用バージョン、そしてハイパフォーマンスバージョンのの二段構えで開発が進んでいます。企画倒れにならない様に気を引き締めたいと思います。
 
 

スロットルボディ

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遅々として進まない様に見えるZ1000Jインジェクション化。
 
担当しているお客さんからの部品の製作オーダーや依頼仕事を蔑ろにして自社車両の製作ばかりに時間割くわけにもいかないので、作業の合間に時間作りながら少しずつ進めています。
イメージ 1
 
さて、インジェクションと言えば何は無くともスロットルボディ。
ECUやポンプ、プレッシャーレギュレーターやフィルターはホースやハーネスで接続されるものですので取り付け方法にもある程度の自由度はありますが、唯一スロットルボディのみがエンジン自体に装着されると言う事で位置は決まっています。
そしてこれがマウント出来なきゃ始まりませんが、Zにボルトオン無加工で使えるのはGPZやGP系だけです。
但し、程度の良い当時物が用意出来ればいいのですが、インジェクターを含むメンテパーツが欠品だらけの為、入手性の面で問題があります。
 
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そうなると現代で入手のなるべく容易なものから流用するか、奮発して専用品を製作するかとなるのですが、前者の場合口径はともかくそのままではマウント出来ないので工夫するしかありません。
そして、ここが流用スロットルボディを用いてのインジェクション化の最もハードルが高いところです。
 
又、基本自分らが実験や製作したものを公開する場合は、将来的にお客さんに供給する事を踏まえての物ですが、普及やメンテを考えればスロットルボディ本体に難易度の高い改造が必要な方法はなるべく採りたくありません。
 
そこで知恵絞って何とか無理なく装着出来る様に製作したのが、以前紹介したスロットルボディアダプターです。
現物手に取ったら、ありえんだろう?と思いたくなる様な絶妙な寸法と、最小限の加工で装着出来る様になってます。
試作仕様なので、ポートに合わせるのに削って現物合わせしましたが、量産仕様では、これも最小限か不要なレベルに詰めたいところです。
これでエンジン側にもスロットルボディ側にも加工は不要です。
(ECUによっては使わないサブスロットルバタフライや、そのドライブユニットは取ってしまいましたが)
 
公道用として、どうせなら純正エアクリーナーボックスも使える様にしてみたいところですね。
ノーマルJとの違いを明確にする為にもなるべくイコールコンディションにすると言う事で。
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先行してfacebookでも公開しましたが、皆さんインジェクション化には興味が結構ある様で、いつになく反響が大きい様です。
 
もちろんキャブレターのルックスを含めての持ち味や、自然現象を利用するからこその冗長性も利点として否定はしない事を前提に、現代のインジェクションだからこそ可能になるもしくは対応出来る利点も詰めて、選択肢の一つとして広めていきたいものですね。
 

T's sound

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 やっと製品化が決定したT's 集合管ですが、今日はダイナモ上でそのサウンドをお聴きください。動画はLサイレンサーを使用していますが、製品は全てMサイレンサーが付属となります。*(音を聴いて頂く為に空ぶかしを行っています。)*(デジカメでの簡易撮影です)
 
 
 
 
 
トルク特性で有利とされる4-2-1構造にはせず、敢えて4-1としています。やはり空冷Zにショート管・・・となれば4-1のみが奏でるあの音を犠牲にはしたくありませんでした。
 
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T's 集合管の特徴の一つがこの部分。ノーマルと同様に割りカラーにてエキマニを固定します。割りカラータイプとした事によるメリットですが、最初に脱着の際フレームに傷が付き難い事です。オイル交換の度に脱着を必要とするマフラーの場合、フレームに傷が付かない様配慮するのも手間だったりしますよね。
 
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また割りカラーを介在させる事により歪みや振動を分散吸収してくれるという効果も期待しています。更に、副次的なメリットとしてフランジが痛んだ場合でも単品にて部品交換が出来る事となります。
 
イメージ 2
 
シリンダーヘッドとフランジとの隙間を見てください。ノーマルと同様に可能な限り最小クリアランスとしています。これによりワンピースマフラー+6mmスタッドに付いてまわる「恐怖のスタッド折れ」の確立も低減出来るのではないかと考えています。ただでさえ頼りない6mmスタッドボルト、フランジがヘッドから離れれば離れる程掛かるストレスは大きくなるのは想像に容易いと思います。
 
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            フランジも敢えて砂型鋳造によるアルミフランジです。
 
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オイルパン側へ可能な限り寄せて、少しでも最低地上高を確保出来るように考慮。ちょっとした段差を乗り越える際に「ゴツッとかガガッ・・・」とかマフラー底と同時に心傷む思いをした方も少なくはないと思います。
 
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マフラーエンドを吊るステー部分です。一般的には二枚の板が取り付け部分を挟み込む様な構造が多いと思いますが、ご覧の様にこの固定は片持ちタイプとなります。勿論完全なラバーフローティング方式。また、片持ちとする事でスイングアームに補強ブレースを這わせた場合や社外品を使用した際でも、極力干渉のしにくい物となっています。また、単に1枚プレートとはせず、強度を考慮して二枚のプレートが途中から一枚に重なり合う構造になっています。
 
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これでいいや・・・の許されない部分の一つにこのエキマニの「曲げ」があります。出すぎず引っ込みすぎず、美しく弧を描いてくれました。19インチ+STDフェンダーでも干渉する事はありません。また、個々の(4気筒)パイプもそうですが、それらを集合させる溶接の精度も上げています。
 
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画像はプロトタイプとなるため、溶接が少々ラフです。集合部分から自然な形でUP気味にテールへと繋がり、エンド部分は若干短めで車体側に寄り添う様に。
 
おかげ様で予想以上のお問い合わせと御予約を頂戴し、初期生産数を増やしましたが、それも残り10SETを切りました。
 
何分全てハンドメイド品となります為、製作にどうしても時間が掛かってしまいます。御興味を持って頂けた方には早めのお問い合わせをお願い致します。
 
 
 
 
 
 
 

業務連絡 ヒューズステッカー間違い

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本日は業務連絡です。
 
ここ最近納品させて頂きました当社製ハイパフォーマンスヒューズシステムの
ヒューズ位置ステッカーに間違いがあるものが混入した可能性がある為、お手数ですがご購入いただきましたお客様のセットに付属のステッカーをご確認下さい。
対象製品は、Z1,Z2用のものと、FX1,Mk2用のセットとなります。
(Z1000J,R系のものは対象外です)
 
以下のタイプの配列物だと間違っているものです。
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こちらのタイプが正しい配列のものです。
TURNとTAILが入れ替わっていました。
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新タイプのステッカーにデザイン変更した際に間違いが生じていました。
もちろんこのまま使用されたとして、それが原因でヒューズとしての機能そのものに障害が生じる事はありませんが、車両側の電装トラブルが原因で万が一ヒューズが切れた場合表記間違いがあると原因検索するのに別のところを見る事になってしまいますから、差し替えの方をお願いいたします。
 
ご連絡の方をいただきましたら、速やかに正しいものを送らせていただきます。
 

妖艶紫

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車体をお持込頂き、フレーム・足回り・エンジン・電装・外装まで手を入れさせて頂きました1000MK2ですが、外装も仕上がりほぼ完成の域に入ってきました。
 
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      派手さを抑えたカスタム車輌ですが、特徴的な外装カラーになっています。
 
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深いパープルをベースに、STDグラフィックラインを生かしています。暗い所では単色の黒系に見えますが、光が当たるとご覧の様にパープルが浮かび上がります。
 
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このテールカウルの画像だと解り易いですね。光の当たっている所と陰になっている部分がハッキリしています。
 
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紫という色は、一歩間違えると?という方向へ行き易い、ある意味毒が強く妖しく、そしてその反面では非常に繊細な色だとも思います。地味目のカスタムに少しだけオーナーの遊び心が入ったMK2、もうすぐ納車となります。

Mr Lime G

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                    やっと本日納車となった岩城さんの1100R。
 
                    納車に付き合ってくれた宗和さんがふと跨った瞬間をパチリ!
 
 
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                    Tiger 宗和と言えば・・・・やはりLime Green.
 
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    色々とお騒がせ&実際ヤンチャなライダーですが、優しくて面白い人です(笑)。
 
    そして、私達の年代では記憶に残るカワサキワークスライダーの一人です。
 
面白い企画も岩城さん、IKURAさん、そして宗和さん達が先頭に立った大人の空冷Zイベントも進行中です。正式に決定したらこのブログでも御案内させて頂きたいと思います。

エンジン負荷と点火時期の関係②

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先日の記事において、エンジンにかかる負荷の説明と、それに対する適正な点火時期について、実験を交えて説明しました。

http://blogs.yahoo.co.jp/pams_jp/63150721.html

アイドリング状態の様な極低負荷状態において、点火時期を進めてやると回転が上がる事から、燃焼効率が上がってエンジンはより廻る様になる事が証明されています。

ただ、これはエンジン自体のフリクション程度しか無い極々低負荷の状態での検証で、実際の走行状態の様に負荷がかかった状態ではどうなるかとなりますので、これも測定してみます。
 
さて、以下のダイナモデータはダイナモ上で4速全開にして測定したパワーカーブ。(クリックすると大きくなります)
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2つのデータですが、これは負荷補正入力を行ったものと行わなかったもの。
2次元マップと3次元マップの両方を使ったものですが、正直言ってパワーにもトルクにも違いと言う違いが見受けられません。
 
これは、ある程度負荷をかけて測定すると3次元マップでも点火時期は最大遅角したエリアを使う為です。
3次元マップで言えば、下のオレンジのところです。
 
このエリアに入る様な開け方をしている限り、点火時期数値そのものは補正を入れても入れなくとも違いはありません。
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ダイナモ上の最大出力測定時には負荷はかかってないとはいうものの、実際のところは数百kgの重たい鉄のローラーを単位時間に加速させてその仕事量を演算しているものですから、実際に最高速度付近でかかる様な風圧や路面抵抗程では無いにしても無負荷ではありません。
その程度の負荷でもこの様に最大出力に違いは出ないと言う結果が出ます。これで更に負荷をかけても点火時期は同じになるでしょうからカーブは重なったままです。
これが何度か言っていた通り、原則負荷をかけてのアクセレーションしか行わないサーキット走行に類する様な走り方の場合、点火時期制御を入れようが入れまいが殆ど違いは出ないという事の理由でもあります。
 
それでは、もっと負荷の少ない状態で測定してみたらどうなるか。
以下のグラフはあえて低負荷になる様にローギアでレッドゾーン迄廻してみたものです。
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イメージすればわかるのですが、負荷が少ない分アクセルを大して開けなくともあっという間にレッドまで廻ってしまいます。
最高出力が上のダイナモデータより低いのは、アクセルが全開になる前にレッドゾーンまで廻ってしまう為です。
キャブの口径が小さくなったと同じ事が言えるわけです。
 
負荷の少ない廻し方をした場合は、以下のマップの赤い部分を読む様になっているのですが、この場合は点火時期が進む事で明らかな差が出ました。
イメージ 4
 
レッドゾーン領域でのピークパワー3馬力の違いは殆どの人が感じ取る事は出来ませんが、4,000rpmでの3馬力0.4kg-mのトルクの違いは結構わかります。
但し、普通に走っていて低負荷とは言ってもローギアのまま低速からレッドゾーンまで使う様な走り方は滅多にしないとは思います。
ドラッグレースのスタートの様な走り方をすれば別ですが、負荷がかからない様なギア比で走ると回転こそ一気に上がってもスピードが出ませんし、あまり現実的な走り方ではありません。上のデータはあくまで参考程度に、低負荷状態では点火時期が進むように制御した方が出力馬力は高くなると言う証明位にのみ記憶にとどめて下さい。
 
今度はダイナモのリターダーブレーキとその制御システムを使って、より現実的な走行条件下の再現をやってみます。
 
 
 

エンジン負荷と点火時期の関係③

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前回、前々回の記事において、アイドリングやクルージング状態等の低負荷状態でのエンジン運転中には点火時期を早める事で燃焼効率が高まり、実際にアウトプットされる出力も向上している事がわかります。
 
 
 
今までの実験では、アイドリング時やアクセルをワイドオープンしてのものでしたが、今度はより実際の走行時に従った測定方法で証明してみます。
 
当社で導入しているダイナモは最大馬力測定を行えるのは当然の機能として、リターダーブレーキシステムと、それをコントロールしながら負荷解析を行うトルクセルシステムが付属しています。
 
一般的にシャシーダイナモという機械は、重たいローラーを加速回転させる事でのみ出力を測定する装置なのですがそれらのシステムを使用する事で通常は不可能な一定速度下での出力変化やデータ解析が出来る様になります。
 
例えば点火時期やインジェクションのセッティングを行うのに、一定負荷をかけた定速運転状態のまま、点火時期や燃料噴射量を変化させて出力変化を見る事が出来るわけですから、それらのセッティングには不可欠なシステムと言う事で導入しました。
 
 
この機能を使ってみます。
ダイナモ上でアクセル開度は少し開けて固定。
システムのリミット速度を60kmに設定して、これ以上速度が上がろうとすると、ダイナモに固定された電磁ブレーキが働いて速度を60kmに維持させます。
電磁ブレーキの効き具合はコンピューターで制御されていますが、この際にブレーキ力が大きくなる方がパワーが出ていると言う事になります。
 
これが低負荷一定走行中に点火時期を2次元マップそのものを使ったもの。
点火時期は最大負荷時と同じです。
左下のブレーキ率は21パーセント
イメージ 1
 
これが同じ状態でウオタニユニットに低負荷走行中であると入力してやったもの。
点火時期は大体5度、2次元マップの物より進んでいます。
この場合、ブレーキ稼働率は24パーセントと大きくなりました。
イメージ 2
 
速度が一定のクルージング状態でエンジン回転数も変わっていませんが、上下を比べると点火時期制御を入れて進角させた場合の方がブレーキ稼働率が大きくなり、その分押さえ込まないと速度が上がってしまう=力が出ているわけです。
 
これを実際のストリートでの走行に置き換えれば、低負荷時には点火時期が進角する様に制御してやれば、同じアクセル開度でもより前にバイクは進もうとする様になると言う事になります。
 
さて、低負荷運転である事をどうやって判断するか?
一般的な手法としては、TPS(スロットル開度センサー)を使用します。回転数の割に開度が大きければ負荷が大きいと判断し、逆に開度が少なければ負荷は小さいと予測判断します。
 
ところが、今回私が使用しているのは実はバキュームセンサー。
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ブログを読んでお問い合わせいただいた何人かのお客さんの予想通りです。
マニホールドの吸気圧力はエンジンの負荷状態を表しますので、これを測定する事で直接負荷状態を読み出して、ウオタニユニットに入力しています。
 
実は以前当社の代表に写真を公開されてしまいました事があります。
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これは、バキュームセンサーで検知している負荷状態に応じて、出力電圧が理論通りの反応速度や目的数値で出ているかを実走して確認していた時のものでした。
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さて、バキュームセンサーは現代のインジェクションシステムには欠かせないものですが、現行車の全てがインジェクション化された現代、このタイプのセンサーの性能も10年以上前のものとは比較にならない程向上しました。
又、装着されている車両が多い為、様々な仕様や特性のものが選べますから、その中から丁度いいものを見つける事も可能です。
 
ウオタニユニットにインストールされている3Dマップは元々TPS出力を入力して負荷予想する為のものなのですが、検証した結果、ASウオタニさんのところのオリジナルユニットや当社宛てに製作してもらっているver.PAMSユニット他、条件の合うマップのインストールされているものであれば充分に使えそうです。

納車準備OK!

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フルレストア&カスタムでお預かりしてた、MK2
車検を取り、本日、試乗チェック。 納車準備完了!
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   おまたせ致しました。
 
   イエロータイガーのUSED・Z1
   こちらも、試乗チェックを済ませ、納車準備完了!
 
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   おまたせ致しました!
 
   楽しみにしていて下さい!!

CRキャブセッティング

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キャブセッティングの中では個人的にCRキャブのセッティングは好きです。
 
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シンプルな構造は調整箇所が少ないからからこそのメリットが多く、外れたセッティングをするとはっきりと症状が出るところが凄くわかり易いです。
Zシリーズ用と銘打って売られていてもメーカーや代理店から売られているままそのまま付けてきちんと走れる事は稀で、アイドリングを続ける事すら出来ない場合が普通です。
 
これがFCRやTMRとなると、そのまま付けてもアイドリングはもちろん、とりあえずはそれなりに動いてしまう位ですので、いかに許容度が大きいかわかります。 
これをもってCRはセッティングが出難くて、FCRやTMRはセッティングが簡単であると言われる場合もあるのですが、外していても極端な症状の違いも出ずにそれなりに走ってしまうと言う事は、正しいセッティングの良否判断にも悩む場合もあると言う事になります。
 
たまにお客さんに説明する場合に冗談混じりに例えるのですが、デートの相手と例えるのならCRキャブは裏表の無いはっきりした性格の人。
映画に行くにも食事に行くにも、自分が見たいもの食べたいものをはっきり正直に言ってくれる。
不味いものを食べさすとストレートに不味いと言い不機嫌になる。
そのかわり、本人の好みの場所に連れて行ったり好きなものを出すとこの上なく幸せそうな表情を浮かべる判り易いタイプ。
ちなみに体は頑丈で滅多に風邪ひいたりしません。
 
対してしてFCRやTMRの場合は、こっちに合わせてくれて本当は趣味でもない場所や好みでもない食べ物でも、”うん大丈夫”と言ってくれるタイプ。
一緒にいて一見楽なのですが、こういった相手は時として本当に楽しんでくれてるのかなと不安になったりします。
どちらかと言えば育ちが良いタイプで、運動神経も良くて健康ではあるのですが体調管理には意外に気を使います。
 
CRみたいな相手の場合って、しょっちゅう喧嘩になったりするんですが、実は意外と長く付き合えたりするんです。私だけかも知れませんが。
 
さてこんなCRですが、セッティングする場合はやはり使用目的をはっきり聞いた上で行います。
 
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例えばFCRやTMRの様に加速ポンプを持たないCRの場合、アクセルをどこから開けてもトルク感満点にダッシュをかけられるようなレーシーなセッティングを施そうとするならば、巡航走行中に空燃費はかなり濃い目になる様にする必要があります。
 
そういったセッティングの車両を街中をゆったり流すのが趣味の人やアクセル一定のツーリングしかしないはずの人に渡せば、燃焼温度も上がらず燃やし切れないカーボンで燃焼室内は真っ黒け。余計な燃料はリングやシリンダー間にあるべきオイルを薄め、ケース側に抜けるブローバイガスに混じってオイルパンのエンジンオイルをも希釈させてしまいます。
例えそこまでいかなくとも燃費の悪化は避けられないでしょう。
 
たまに入庫したお客さんの車両の調子を見るのにダイノマシンにかけると、大昔のディーゼル車もかくやという様な黒煙をバカスカ吐き出すCR装着車があります。
濃い目のセッティングで負荷をかけて廻すことの少ないエンジンの場合は、マフラーに燃焼し切れなかったガソリンの燃えカスが滞留している為です。そういった車両の場合、オーナーと相談の上でパワー感とトルクを損ねない程度にガスを絞る場合も結構あります。
 
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公道はレースの場とは違って勝つ為に走っているわけではありませんから、開けっぷりが悪いからだなどと言うのも変な話です。使用用途や目的に応じて変わるのがセッティングですからパワーが出てるからとそれが必ずしも正解ではありません。
 

無くてもいいもんではありません

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知ってる人は知っている。このU型の変なワッシャー。
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Zには付いてなく、J系エンジンだけになのですが、前側エンジンマウント上側の左、エンジンマウントダンパーワッシャーとフレームのマウント部分の間に入ります。
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収まるとこんな感じ。
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何で又J系だけにこんなものが付いているのかと思うのですが、恐らくはJ系にはZ系と違ってフロントエンジン側がダンパーマウントされているので、メーカーでの車両組み立て時にエンジンを搭載する為のジグかか何かをフレームとダンパーの間に割りこむ隙間を作る必要があり、搭載後にその部分を埋めるのに後からこんなワッシャーを入れる様にしたのではないかと勝手に想像しています。
 
問題は、長年経った車両でエンジンの積み下ろし履歴のあるものの場合。
J系の整備経験者や専門店ではまず忘れる事は無いのですが、一般で整備された車体の場合このワッシャー付けないまま無理矢理エンジンマウントを絞め付けてしまってあるものをたまに見る事があります。
 
エンジンマウント部分には若干の遊びが持たされている事はもちろん、フロント側はダンパーマウントされている為に無理すれば締まってしまわない事も無いのですが、エンジンが捻じれた状態で固定される場合がある事はもちろん。無理な応力がかかり続けたフレームのダウンチューブ側が変形してしまう場合もありますので、J系モデルを所有のオーナーはこのワッシャーがちゃんと自分のマシンに付いているかどうか確認しておいて下さい。
 
万が一付いていない場合でも、上の写真の品番で購入する事が出来ます。

1000R用DISC(完売御礼)

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                       純正部品が廃盤となって久しいZ1000R系用のSTDディスク。
 
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ホイルを始めとして足回りカスタムが施された車輌では、地味なSTDディスクは必要ありませんが、インナーローターを持たずアウター部分がダイレクトにホイル側へとマウントされる1000R系は、その設計故に他からの流用等の選択肢を狭めてしまいます。
 
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そこで弊社のお客様からのリクエストもあり、サンスターさんに無理言って造ってもらったリプレイスディスクが画像の物です。御存知の通り、メーカーに純正部品として製品を納めているサンスター製ですから、その品質に疑う余地は御座いません。少量生産という事もあり、ブログで紹介させて頂き数日後に全て予約完売となりました。
 
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元々車輌に付いていたディスクは、既にキズキズのレコード状態になっていたりする物が多く、研磨では対処できない所まで至ってしまっている例も少なくありません。地味なパーツなのですが、ノーマル派のオーナーさんからは大変喜んで頂けました。
 
完売御礼、有り難う御座いました。

ガスケット材

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Zに使うガスケットであれば普通にカット済みのものが全て在庫ありますが、インジェクション用アダプターをヘッドに装着する為のものなぞ存在しませんから自分で作るしかありません。
 
そこでガスケット材を目的別に何種類か取り寄せしたのですが、これが入庫状態だと正直言って置き場に困るくらい大きいです。
 
ちなみにこれでも既に半分にカットした状態。
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トラック用大型ディーゼルエンジンのオイルパンなんかだと相当な長さになりますから、その材料となると理解出来るのですが、オートバイ用エンジンとしては結構大きいZ系エンジン用では40cm角を超えるものはありませんから使い易いサイズ迄カットします。
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なんか巨大なガスケットシートと格闘していると、たまにテレビでやってる数百人分の大鍋料理とか巨大なイカやウナギを見てる様な気になってきました。(笑)
これ1シートでポイントカバーガスケットなら百数十枚は取れますみたいな感じですね。
 
黒っぽい素材は、オイルやガソリン等の液体が浸みこんで豊潤する事でシール効果を高めるタイプのものです。
漏れに対しては非常に強く耐熱性も非常に高いノンアスベスト材で、ヘッドカバーガスケット等に使われている例もあるようですが、Z系に身近なところではキャブレターのフロートパッキンなんかに使われています。
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もちろん、シール性や耐久性ついては当社でヘッドカバーガスケット等に使用しているカーボングラファイト材の方が遥かに上回るのですが、あの素材は一度組んだら脱着の都度交換しなければいけなくなる可能性が高いのと、コアにグラスファイバーやスチール板が入っている関係でプレス型以外でのカットが困難な為、今回はハンドカッターで加工可能なノンアスベスト材を使います。
又、インマニの接続に使うのであれば、むしろ熱伝導性の低いガスケットシートの方が適しています。
 
こちらはついでのサンプルに取り寄せたもの、現在カワサキから出るZ系用の純正ガスケットはおおかたこのタイプのノンアスベスト材で製造されています。
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このピンクっぽい素材はガスケットの強度に優れるのですが、素材を固める為のゴムバイダーが熱硬化するので、長年使って張り付いたものを剥がすのに硬くなってえらく苦労させられる場合があります。
 
 
巨大ガスケット素材相手に大汗かきましたが、今度は炎天下で車用車デミオのラジエター交換。
 
ラジエターの樹脂部分が熱劣化して漏れ出し、何だか甘ーい不凍液臭が漂ってきています。
車もバイクも古くなると使用に不都合なトラブルが出るのはまず電気系か冷却系のマイナーなものです。 イメージ 5
 
日が落ちて涼しくなってからやりたいところですが、車の下を触る作業は暗くなると見難くてしょうがないので。
 
この年式の車は整備性が良いのが取り柄ですね。
ホースとカプラーを外して上に引き抜くだけ。
作業開始からラジエター取り外しまで10分程度しかかかってません。
今時の車両が高性能なのはいいとして、アンダーカバーやバンパー外さないとラジエターにアクセス出来ないものが普通ですから。
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取り付けはホースが張り付いていない分更に簡単。後は不凍液入れて作業完了。
Zもそうですが、整備性が良い事は美点です。
 
 

Z1/2ノーマルFフォーク用インナースプリング

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Z1/2ノーマルFフォーク用インナースプリングのサンプルが出来てきました。
新たにラインナップする為、実験中。
 
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   上が、ノーマルと同じバネレート、下の袋に入ってる方は、バネレートを
   高めた物
 
   まずは、ノーマルから試す事にします。   
 
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   インナースプリングとフォークオイルをチェンジ!
   試乗行ってきます!!
 
   詳しくは、またご報告致します。
 
   
   
   
   

throttle bodies with air cleaner

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                                 チマチマと進めている1000JGPプロジェクト。
 
                             まずは純正スロットルボディ+アダプターKITです。
 
以前にも記事をUPしましたが、LOOKSや口径に(仕様によっては)不満があっても、やはり最も安心して且つリーズナブルにインジェクションシステムを楽しめるのは純正流用だと思います。
 
と言う事で、このアダプターKITによってZ系~J系にスロットルボディを無加工にて装着が可能です。あまりスキな言葉ではないのですが、いわゆる「ポン付け」「ボルトオン」という事になります(笑)。画像のスロットルボディ口径は38mmで、因みにGPZ1100純正スロットルボディは35mmとなっています。
 
また当然ですが、口径だけではなくインジェクター自体の性能も飛躍的に向上していますし、それを制御するコンピューターも進化していると言う事を付け加えておきます。
 
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実験車輌に私の1000Jを使っていますが、既に社内では通称「Z1000GP」という事に。そしてファンネル仕様もカッコ良いですし、簡単なのは独立した簡易フィルターを装着してしまう事なのですが、やはり最初はノーマルっぽく純正エアクリを使った物にしたいと思います。
 
そしてSP Throttle Bodies も控えておりますが、こちらはご紹介までにもう少しお時間が必要です。
 
 
 

Z1000系シリンダーブロック

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これはKZ1000(A1,A2)のシリンダーブロック。
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ブロック肉厚の薄いZ1,Z2系に比べると比較的シリンダースリーブの緩みが発生し難いと言われ、実際常温で多少力を加えても動かないものの方が多いです。
このシリンダーブロックも軽く押したくらいではびくともしないので、このままボーリングして組み込みとされる場合も多いのではないかと思います。
 
そこでちょっとこの炎天下に屋外に置いておきました。
確かに人間なら熱中症になって当たり前ではないかと思われる位の暑さなのですが、
内部で圧縮した混合気を燃焼させているシリンダーブロックにしてみればどうってことは無い程度です。
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結果。
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当たり前ですが、いくらこの時期の関東地方が暑いからと言っても内燃機加工工場でスリーブ交換の為の温度まで上がるはずはありません。
いいとこ数十度なのですが、軽く押しただけでスリーブは浮き上ってしまいました。
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シリンダーライナーの回りにオイルが侵入して濡れているのがわかります。
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Z1000(A1, A2)は、シリンダーブロック下側にオイル侵入に対応する為のOリングが一応入ってはいるのですが、エンジン運転中に膨張したアルミのブロックと鋳鉄製シリンダースリーブの間に生じたクリアランスの為に侵入したものです。
 
オイルが入り込んで液体の状態で残る位ですので密着性は低下していますから、スリーブからブロック側への熱伝導性も相当に低下している筈です。
(たまに勘違いされる場合があるのですが、オイルが侵入するから熱伝導性が悪くなるわけではありません。オイルの侵入は密着が出来なくなるほどのスリーブの緩みの結果で起きているものです。)
 
さて、Z1000系のシリンダースリーブ上面のツバ部分はZ1系のものより僅かに大きく、カムチェーントンネル部分のシールリングの溝に一部食い込んでいるのが特徴です。
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この為、シリンダースリーブが緩むと、エンジン運転中に上がってきたオイルがこのOリングでシールしている外側に滲みだしてきます。
上の写真を拡大すると良く解ります。
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こうなると、何度ヘッドガスケットやシールリングを交換してもヘッド面よりのオイル漏れは治りません。
当社のヘッドガスケットも、開発終了したバイトン製のOリングも非常に高品質な製品ではあるのですが、寸法的にシール出来ていないこの場所からのオイルリークには対応出来ないのです。
何せオイルはシールしている部分の外から湧き出してくるのですから。
 
万が一ガスケットを交換してもヘッドからのオイルリークが再発してしまう場合は、シリンダースリーブの緩みを疑ってみてください。
 
又、エンジンオーバーホールの際にシリンダーを取り外したのなら、スリーブの緩み点検は軽く温めてから行われる事を推奨します。

ベース?

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 今日はベース車輌に使うZ1の引き取りで浜松まで行ってきました。
 
 夏の青空の下、たまにはこうして引き取り業務に出掛けるのも気分転換になりますね。
 
 
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マフラーにモリワキチタン(純正ノーマル有り)、その他シート加工が施されている以外はほぼオリジナルのZ1Bです。外装ペイントもなんとオリジナル。シルバーエンジンの鋳肌も物凄くキレイで、正直ベースに使用するには勿体無い気も・・・しますが、元が良くて何も悪い事はないですし。
 
しかし・・・このまま整備するだけでも十分に売り物になるコンディションなわけで・・・ってしつこいですね(笑)。
 
オーナー様からこの車輌をベースに!というリクエストとなりました為、潔くベースで行ってしまいましょう!
 
どんな仕様で仕上げてゆくのか、これからオーナーさんとの打ち合わせが楽しみです。
 

進行状況

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純正流用のスロットルボディの配線ですが、本来の車両に装着されている場合は元々殆ど見えない事もあってテープ巻きで纏められています。
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流用する際に使わなくなるサブスロットル配線があるのでシンプルにしてしまいたいのと、やはり細い配線を纏めるのにテープ巻きは見た目的にあまり好きでないので、ここは一度分解して作りなおしてしまいましょう。
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シリンダーヘッド後方のスロットルボディ廻り配線はただでさえ熱による劣化が起こりやすい場所でもあるので、作り直しついでにガラスチューブで対策。
Z系はこの部分が丸見えなので、なるべく見た目良く。
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ストリート仕様として、あえてのエアクリーナーボックス仕様。ダクトは更に又別車種からの純正流用。
この位置では見えませんが、実は内部に向けてちゃんとファンネル形状になってたりしますから、ボックス外してセッティングしてそのままレースにとか・・・。
何せ燃調を吸気に頼る必要ありませんので。
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今回はECUを紙ヒコーキさんところのものを使用するので本来スロットル開度センサーは不要なのですが、開度ロギングも行う事を考慮して装着しています。
これもハーネスラインは独立させて作り直して取り廻し。
 
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メーカーは部品点数の削減の都合がありますからハーネスは一体化するのですが、整備性や補修,拡張性を考慮した場合ある程度機能別に分岐させた方が良い場合もあったりします。
 
燃圧を制御するプレッシャーレギュレーターはこの位置で。
80年代のカワサキ純正インジェクションも大体同じ位置です。
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最近のインジェクション車の様なインタンクポンプ+レギュレータータイプではなく、Z純正タンクを無加工で行える様にアウトタンク(インライン)ポンプ方式を採っています。
ポンプ冷却を考えればインタンクがベターなのですが、タンク加工となるとZ系の場合いきなりハードルが上がりますので。
 
上の写真良く見ると判りますが、一度取り外したアイドルアップリンケージを戻しています。
ケーブルを装着すれば、暖気中のアイドルアップも簡単になるので。
 
車両整備の間を縫っての作業ですが、何とか今月中に火を入れたいところです。
最初の1台で必要部品他のハード的な組み合わせが完成すれば、ユーザーへのフィードバックも持込みでのインジェクション化の受け付けも行い易くなりますね。
 
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