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巻き戻し

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フルレストア、フルOH、フルリビルト、どれも聞き慣れた言葉だと思いますが、実はそれぞれにハッキリした定義は存在していないのが現状です。

例えばクランクシャフトを一例にします。

クランクシャフト(組立式ベアリングタイプ)に関わる作業で最もポピュラーなものが「芯出し」または「クランクセンター出し」等と呼ばれるもので、これは読んで字のごとく少々曲がったクランクを荒っぽく言えば、叩いたり押したりして本来の状態に戻す作業です。

そして本題の分解リビルト。これは圧入部分を全て押し出して分解し、消耗部品の交換等を行う作業です。以前PAMSでは分解後に可能なメニューとして基本的にベアリングの交換とコンロッドスラストの調整、そして芯出しというメニューでした。

しかし、分解OHを必要とする程消耗したクランクの場合、単にベアリングの交換だけでは追いつかず、当然相手となるジャーナルやベアリングレースの消耗&腐食、コンロッド大端部の編摩耗等などの修復をどうするのか?という問題を完全にクリアすることが出来ず、「リビルトしなければ使用できないクランクはリビルト不可、リビルト可能なクランクはその必要は無い」という少々矛盾したスタンスでいたのも事実で、その場合は良品のUSEDを探して使用するという流れが殆どでした。

イメージ 5

画像は、今回フルリビルトの為に完全分解となったMK2のクランクシャフトです。ベアリング交換は勿論ですが、消耗箇所にもキッチリと手が入り、研磨が必要な箇所にはその取り代に合わせサイズ違いのベアリングを用意。それで対応できない程のダメージには特殊な「溶射肉盛研磨」で対処します。

イメージ 1

              コンロッドの大端部も、

イメージ 2

  そして小端部は専用ブッシュ製作にて対応可能です。(画像は表面処理のみ)

イメージ 3

全体に光り輝いているのは、分解と同時に各ピース全てにアキュレート処理と呼ばれる特殊な研磨を施しているからです。特徴としてほぼ寸法変化を起こす事なく、均一に票面粗度の調整を行える事です。

イメージ 4

また、クランクシャフトにこの処理を施した場合、摺動部分のフリクション低減だけではなく、ウェイト部分に纏わりつくオイルのキレが向上し、オイルミストによるブローバイガスへのオイル混入も低下するそうです。

まだ試験段階ですが、結果オーライとなればメニュー化したいと思っています。

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