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トルクプレートボーリング

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エンジンの内燃機加工に興味があれば、ダミーヘッドとかトルクプレートという言葉を聞いた事があるのでは無いでしょうか?

通常、シリンダーブロックの加工時にはシリンダーブロックを単品にしてそれをボーリングしたりホーニングします。
当然、この状態では単品で置いている時に真円の円柱上に内部は仕上がります。

ただ、シリンダーブロックと言うものは円柱の塊ではありません。
横方向に繋がっていて縦方向には短い上、各部の肉厚も気筒毎に事なりますから、実際にエンジンに組み込んでクランクケースとシリンダーヘッドの間に置いて締め付けすると極微妙ではあるのですが真円の円柱に歪みが生じます。

通常はその歪が生じてもエンジンの運転には支障が無い程度にクリアランスと公差を設定していますので大きな問題にはなりません。
但し、基本的にピストンと言うものは暖気終了後にはシリンダーが真円であるという事を前提に設計されていますので、組み込んだ状態で真円になる様にボーリングしてやると更にエンジンはスムーズに廻るでしょうし、場合によってはクリアランスを詰める事も出来ます。

そこで、シリンダーブロックを加工する際に、上下をケースやヘッドのそれと等しい剛性のあるプレートの間に締め込んで行うわけです。
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実際この状態でボーリングやホーニングを行うと加工中は当然真円になりますが、プレートを取り外して応力を解放してからブロックを測定すると、ほんの僅かではありますが一定の割合に従って必ず縦横の比率が変わっています。
しかも円方向が全て同じではなく、深さ方向に測定位置を変えるとそれも割合いが変化します。
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もちろん、こういったトルクプレートボーリングをやらなければエンジンが組めないわけではありませんし、やったからと言って明らかにパワーアップしたりポテンシャルがアップするわけではありません。
但し、大量生産時には出来ないレベルで手間をかけて、エンジン運転中の理論上の理想に近付ける事で耐久性や吹け上がりの滑らかさという効果は期待する事が出来ます。

なので、現在当社で加工を行わせていただくZのシリンダーブロックは、全て専用製作したトルクプレートに組み込んでのボーリングやホーニングを行っています。



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