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ピストンと付属品の重量から

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同じZ用72mmのワイセコとWOSSNERのピストン重量比較。
 
左がWOSSNER、右がワイセコ
イメージ 11
 
下側の形状は大きく異なり、WOSSNERの方が絞られている分一見こちらの方が大幅に軽そうに見えますが、実はイメージする程違うわけで無く、WOSSNERの方が4gだけ軽いです。
イメージ 1
イメージ 2
 
これはWOSSNERピストンのピンボス周囲が強度重視されている若干現代っぽいデザインで、この部分が肉厚にされている形状の違いのせいもあるでしょうね。
ワイセコのピストン形状はむしろ当時の純正Zのものに近く見えます。
イメージ 10
 
ピストンキットに入ってくるピストンピンですが、ピストンの形状ゆえ長さも随分と違います。
長い方はワイセコ 短い方はWOSSNER  
イメージ 3
 
重量を測ると、短い方が10gも軽いです。
イメージ 4
イメージ 5
 
こっちはピストンリングセット
イメージ 6
イメージ 7
 
 
WOSSNERに使用されているものほうが3g軽いです。
ピストン本体ならいざ知らず、リングの様な細い部品で3g違うのは結構大きいです。
 
これらの付属部品を含んでの重量比較。
写真では見えませんがピストン内側にピストンピンサークリップも入れてあります。
イメージ 8
イメージ 9
こうなると15g程WOSSNERピストンの方が軽くなりました。
ピンボス形状の違いでピストンピンが短くなっているのが大きいです。
 
もちろんピストン廻りの重量は、軽いの重いのだけで語る事は出来ません。
その上下左右の重量配分が特性に影響しますので、短絡的に重量の軽いほうが性能が優秀だなどとは言いませんので念の為にお断りしておきます。
例えばピストンピンが短くなればピストン側との接触面積も小さくなりその部分の負担も増えます。
この場合はピストン側の素材が優れている事はもちろん、潤滑が適切に行われている事も前提になります。
 
どんなに形状的に優れたピストンでもあくまでエンジンを構成する一素材ですので、内燃機加工はもちろんの事、カムとの組み合わせに吸排気や点火系の仕様、はたまたそれらのセッティングによってもパワーや味付けを含む特性は大きく変わります。
 
最高の食材を使っても素人が台無しにする場合もありますし、基本を抑えた腕の良い料理人が作った料理はコストからは計り知れないバランスの取れた味を楽しませてくれます。
ですから、何かのパーツをとりあげてこいつを使って組み込めば完璧だなどと言うのも思い込むのも大きな間違いです。
又、味付けも価値観も人それぞれですのでどちらかが絶対に良いなんて事もありません。
 
無粋なのは他人の価値観を自己基準のみで一方的に否定する事です。
今回あえて重量はデータとして採りましたが、例えば補修消耗部品の入手のし易さや長年販売されてきた実績からワイセコのピストンの方を選ぶ人がいたとして、僅かに重量が重い事だけを理由にそんなものを使うなんて理解できないなどと決めつけるのも下衆な事です。
上記した通り、数値だけがすべてでも無いのですから。

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