Quantcast
Channel: PAMS不定期Blog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1219

新潟のコッキーネットさんへ

$
0
0
晩秋の青空が見える天気の良い土曜日、新潟迄往復約800kmのドライブに行ってまいりました。
イメージ 1
 
関越道路にはまだ雪は無く、天気も良いので関越の長いトンネルを超えるあたりでは絶景な山々が彼方に見えます。
イメージ 2
 
ところで、別に紅葉見物とドライブに来たわけではなく、目的地は同じ新潟でも更に北。関東の人間の感覚では新潟というと関越トンネルを抜けた雪国の場所みたいなイメージがありますが、新潟って実は北向かってえらく長いです。
目的地は更に新潟市街を抜けて更に北に2時間程高速をドライブしたところにありました。
 
何しに行ったかと言えば
新潟県村上市にあるコッキーネットさんのところにご相談。
こちらの”紙ヒコーキ”ブランドで製作されているバイク用ECUについてです。
 
数年前から先方さんの事は存じ上げており、パソコンで波形を見る為のUSBオシロキットなんかについては専用品より手軽で扱い易いので愛用させていただいたりしていましたが、以前から興味を持っていたECUがモデルチェンジすると発表されたのを機会に是非ともお話を伺いたくなりました。
(オートバイ用の場合のECU(電子制御ユニット)とは、点火時期制御やインジェクションシステムの燃料制御をおこなうマイコンの事。
キャブ車で点火制御のみ行うものもECUと呼びます。)
 
点火系と言えば、Z用に使用出来るものとして、純正のポイントやフルトラはもちろん、DYNAやウオタニを含み様々なものが存在します。
特にウオタニ製品については耐久性や信頼性も高く、普通に使う分には必要十分以上の性能もあって当社でも推奨しているのですが、使用目的やエンジンの仕様に対して更に詰めたセッティングを施したいと迄考えた場合はマップを自由に書き換え変更の出来るタイプのECUが欲しくなります。
 
 
ヒット商品のUSBオシロスコープキット
シンプルでとっつき易く、ノートPCさえ持っていれば手軽に測定出来るので重宝しています。実際、ちょっと波形を見る場合は実は自分も専用品で無くこちらの方を使う場合が多いです。
イメージ 3
 
使用中画面はこんな感じ、シンプル
イメージ 5
 
 
さて、紙ヒコーキECUの最も大きな特徴ですが、元々ソフト屋さんが製作されたと言う事もあってインターフェースが非常に分かり易く出来ている事と、アナログ直感的な操作で動作確認しながらセッティングにフィードバック出来る事につきます。
 
これは以前のシステムですが、セッティング用のコントローラーです。
エンジン稼働中ツマミを廻すと、点火時期を前後させたり燃料噴射量(インジェクションECUの場合)を増減させる事が出来ます。
イメージ 4
 
単純に見えますが、既存の殆どのECUの場合はこれらの調整は基本的にPCに接続して数字の並んでいるマップを直接調整する必要があります。
同乗者がPCに向かい合ってセッティングが可能な4輪ならともかく、積載場所に制限のある2輪では特に有効な方法です。
 
又、モノによってはセッティング変更にエンジンを停止させねばならないものがありますが、人間の感覚は結構いいかげんなもので、セッティング変更に10分程度も時間が開くとどっちが良かったか判らなくなる場合が結構あります。
これがエンジンを運転状態にしたままで調整すると、まず迷う事がありません。
実際に触らせていただきましたが、極低回転域でも点火時期の僅かな変化でエンジンの回り方が変わります。
 
アナログ的にとりあえずの良否判断をしてから、落ち付いて実際のマップを修正すれば良いわけですから。理想とするセッティング迄に到達できる時間は大幅に短縮出来る筈です。
 
ちなみにこのコントローラーシステムですが、次期モデルのV140ではandroidタブレット端末(androidスマートフォンは順次動作確認との事です)を無線接続して置き換える事が出来る様になるとの事でした。
モニターへの情報量が増えるばかりか、マップに対しての本セッティングも手持ちの端末で出来る事になります。
いちいちタブレットを買うのかという反響もあるらしいのですが、実はwifiのみのタイプのアンドロイドタブレットは性能の割に意外に安価で、最近型でも2万円台後半、去年のモデルだったりすると1万円台です。
自分も持っていますが、普段はネット見たり電子コミック読むのに使ってます。
既に持っているからと、高い携帯端末は怖くてバイクに装着しかねますし。
 
従来型のPCでのセッティング画面のサンプル
これもタブレット画面上で出来る様にされると言う事なので、セッティングにノートPCを持ち歩く必要は無くなるそうです。
イメージ 9
 
 
又、今回のモデルチェンジで自分が注目した部分はもう一つ、需要の多いECUのイグナイター機能のみの筐体と燃料制御用の筐体が分かれた事はキャブ車に点火制御のみの導入ももちろんですが、システムアップでのインジェクション化は拡張ユニットの追加で対応出来るそうです。
以前のユニットは一体型だった為、需要の多い点火制御のみ必要な場合は必要以上に大きかったそうですし、必要な部分のみ買い足せるのは大きなメリットですね。
イメージ 6
 
 
 さて、世の中には4輪用はもちろんの事2輪用にも使用出来る汎用ECUは高額多機能なものから廉価なものまで様々なものがありますし、当方もそのいくつかについては使ってみた事はあります。
ただ、一般的にECUや特にそれに付随するソフトウェアは本職のメカニックですらとっつきにくい部分が多く、ユーザーインターフェースの部分では一般ユーザーからは程遠い物が多く、このあたりが普及の妨げになっています。
 
その点、紙ヒコーキブランドのECUは製作者さんがソフトウェア畑と言う事もあり、機能を絞りながらユーザーサイドのものになっていました。
 
 どんなに多機能高性能なシステムも、理解できなかったり使いこなせないものは意味がありません。まずは我々がメインにしているZ系に対してのみでも点火系、場合によってはもっとインジェクションチューンが普及される様にキット化出来ないかと思い、最新型ECUのオーダーをお願いいたしました。
当方の(勝手な)要望も組み込んでいただいた上でカスタマイズ出来ないかとも企んでいます。
 
例えばこういったECUシステムを車両に組み込みするには、クランク角のピックアップ部分を製作したり、コイルを用意する必要があったりしますし、何より点火の為のマップもゼロから作る必要があるのですが、製作の必要な部分はZ用にボルトオンパーツを用意して、とりあえずにでも走れるマップをプリインストールしたキット化も考えられます。
インジェクション化にしても同様、最もハードルの高いスロットルボディや燃料ポンプを推奨のものを用意して、燃圧レギュレーターを含むラインをセットにしてやれば、セッティングを楽しめる可能性も広がるかも知れません。
 
これは、以前切り出していただいたピックアップローター、突起数が多いのはクランク角をより正確に割り出す為、これをZのクランクシャフトにボルトオンして更にセンサーをマウントするプレートを製作せねばなりません。
イメージ 8
 
帰り道、深夜の関越道をひた走ります。大変有意義なお話がいくつか出来ました。
今の時代、電子メールや電話でのお問い合わせも手軽に出来ますが、真面目に取り組みたいものであればこそ直接顔見て"会話”する事に意味があると思います。
自分の顔を見せずに好き勝手無責任な意見を述べられる様なネット時代であるからこそ、訪問して話をする事に意味があると信じています。
イメージ 7
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1219

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>