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GPコックオーバーホール

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整備点検でお預かりさせていただいているZ750GP
以前に当社でエンジンのオーバーホールや点火系の換装を行っています。
 
純正燃料コックからの滲みが起きたので、PINGELに換装されたとの事でしたが、
CRキャブにモロに接触して乗り上げてしまったそうです。
しかもレバー位置を変えるのに、タンクを持ちあげないと出来ませんから困ったものです。
イメージ 1
 
タンクのマウント部下にナットをカラー代わりにして持ちあげられた様ですが、それでもキャブとコックは当っています。
イメージ 2
 
Z750GPは元々インジェクションで、寸法的にあまり余裕がありません。
背の低いスロットルボディならまだしも、キャブに換装した場合は燃料コックを純正の小さなもの以外の使用は困難です。
 
取り外された純正コックをお持込みいただき、リビルトにかかります。
イメージ 3
 
当時ものコックにお約束の様に、ゴミ取りメッシュが欠損しています。
内部にはカリカリに硬化したガソリンカスやゴミが詰まっています。
こうなると侵入したゴミでコック内部を痛めるばかりか、キャブに落ちればオーバーフローの原因にもなります。
イメージ 4
 
滲み出したガソリンと汚れが硬化して、飴のコーティングの様になっています。
イメージ 5
 
とりあえず分解して内部点検。
ボディ内部のテーパー部に大きな摩耗や傷が生じていないのは幸い。
これなら整備可能です。
イメージ 6
 
とりあえず3日程灯油に付け込んでガチガチに固まった汚れをふやかしてから洗浄して清掃。
純正コックボディは鋳物表面に処理を施されているのか、ガソリンと汚れでコーティングされていたのが幸いしたのか思ったより綺麗になりました。
イメージ 7
 
内部のロータリー樹脂はテーパー部を研磨して傷取りとパッキンやOリングは交換。
イメージ 8
 
ストレーナー部分は単品パーツでの設定が無い為、新品で入手可能なコックからの部品取りという贅沢仕様です。(Oリングやパッキン、その他の部品新品からも転用しました)
上側のメインストレーナーは寸法の合うものがあったのですが、短いリザーブ側は圧入径が合わなかったのでボディ側を拡大加工して装着しました。
リザーブ側はタンクで最も低い位置になりますから、これが無いとコックにゴミが入り放題、パッキンやボディも痛むので欠かせません。
イメージ 9
イメージ 10
 
オーバーホール終了。
イメージ 11
 
装着しても干渉なし。
ガソリンの滲み漏れも無く、オンオフリザーブにレバー廻しても問題無し。
実際CR以外のキャブにしても、このクリアランスだと純正以外使えそうに無いですね。
元々このインジェクション用のコックは、多量のガスをガンガン循環させるのに結構大容量になっているので、不足になる事も無さそうです。
イメージ 12
 当時モノ部品をきちんと機能再生するのは、社外品への新品アッシ交換よりコストや手間がかかってしまう場合があったりしますが、構成上純正以外使えない場合や、ルックス上外せない場合があったりしますね。

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