コンプリートZ1となるベース車輌の分解に着手しました。
予定より手を付けるのが遅れてしまいましたが、ここから巻き返して一気に分解を進めます。車両の製作は、
整備や修理で車輌をお持込頂いくのと全く同じスタンスで取り組んでいます。 従って限られた手数の中ではその数にも限りがあり、受付も限定的なものとさせて頂いています。
整備や修理で車輌をお持込頂いくのと全く同じスタンスで取り組んでいます。 従って限られた手数の中ではその数にも限りがあり、受付も限定的なものとさせて頂いています。
そして、まずはベースとなる車両の選定から始まり、製作に取り掛かる前にオーナーさんにシッカリとベース車輌を見て頂き納得の上で初めて作業に着手となります。食品等の産地表示ではありませんが、やはりベースとなる車両をキッチリ見てみたいのではないか?と思うんです。それを知ると知らないとでは、完成した時の感動にも違いが出る様な気がします。
旧い車輌ですから、同じ年式であってもその傷み方、状態は100台あれば100通りです。カスタムやチューニングは勿論なのですが、仮にノーマル仕様で仕上げる場合であっても、その個体に合った適切なレストレーションプランを立てる事も立派なカスタマイズなのではないでしょうか。画像上、Z1Aにも使用されていた初期型・黒コック。そして小傷や多少の色焼けはあるものの、塗りなおすのが勿体無いと思える程のオリジナルのオレンジタイガーペイント。
メーター、インジケーターカバーそして左右ハンドルSWも純正です。さて、潔く分解に入りましょうか。
まずは外装を外し裸にします。フレームも大きなダメージまたは修復を受けた形跡もありません。オーナーさん、しつこい様ですが本当に外装塗り直しで良いですか?
電装系、バッテリーBOXその他、メーターまわり等も全て取り外され、足回り以外ではフレームにエンジンのみが残る格好となりました。
ヘッドカバーを外した所です。担当するメカによってやり方も異なりますが、今回は腰上を分解した後に腰下を降ろします。シルバーエンジンの鋳肌もキレイです。
突然ですが、ヘッドが降りました。ここまで全て順調。開けたら・・・ゲッ!も無しです。
シリンダーブロック外しに取り掛かります。この場合「外す」「降ろす」「抜く」のどれが適切な表現なのか、実は昔から迷っています(笑)。
このシリンダーブロック、何度か経験のある方なら解りますが、旧い事も手伝いそう簡単に手の力だけでは引き抜けません。樹脂ハンマー等を使用し力づくで抜こうとすると、当て所を間違って冷却フィンをパキッ!っとやりかねないので注意です。特にKZ系からの薄くなったフィンは簡単に割れてしまいますから気をつけて下さい。
無事シリンダーブロックを引き抜き完了。純正STDサイズのピストンが露に。毎度の事ですが、妙に手が入っていない事を確認できると凄くホッっとします。
腰下のみでコンパクトになったエンジンを車体から降ろし、エンジンスタンドにSET。ここからゴロゴロとスタンドを押しながらエンジンルームへ移動。
アシを外したフレームは、これから測定作業のスタンバイ。目視では曲がってなさそうなこのフレームも、コンプリートと名の付く以上はそれでも全てレーザー計測、必要であればそのまま修正作業に移行します。フレーム加工の無い今回の仕様では、OKとなればそのままブラスト&塗装へ。
やっと腰下の分解に取り掛かれます。やり始めると極力手を止めず一気に進めた工程だったりします。ただ分解するわけでもなく、その場で簡単なチェックも兼ねています。
と言う訳で、腰下を割った所です。右上に見える昼食もエンジンを目の前に置き次のアクションを考えながら、どんなエンジンにしてやろうか?と想像を膨らませながら・・・ヤル気が無くならない程度にお腹も膨らませます。
完成は年越えとなりますが、今回もキッチリ走る2014年仕様のZ1に育てられそうです。 オーナーさん、楽しみにお待ち下さい。