Zのトランスミッション、何度も組んだ事のある方は同様の考えをお持ちだと思うのがこのメタルブッシュの事。日本的に言うと「すべり軸受け」(笑)。
シャフトとギアの間に挟まれる様に仕事をしているこのメタルブッシュですが、長年の使用による消耗でシャフトとの適正クリアランスが大きく外れ必要以上のガタ付きが発生、負荷が掛かった時にギアがダイアゴナルな動きをして嫌なギア抜けを誘発します。しかし、元々このブッシュは交換を前提としておらず消耗したらギアごと新品へ交換が指定。しかし当然ながらその殆どのギアは欠品となっています。
各社からクロスミッションKITが発売され、我々にとっても定番メニューとなったPミッションコンバートもその選択肢にあった空冷Zのトランスミッションメニュー。今後はクロスミッション以外にもSTDレシオのリプレイスパーツがフルKITにて開発中と言う噂もチラホラ耳にします。こうやって空冷Zの主要部品が増えてゆくのはイジリ手にとって嬉しい事です。
ただ、丸々ミッション全てを交換しなくても、一部分に補修を行うだけで十分な性能を取り戻す事の出来る状態にあるトランスミッションも存在し、その場合補修パーツのみでOHが完了出来るのならお財布の負担も少なく済むわけです。
そこで、このメタルブッシュだけを製作して打ち替えようとなるのですが、なぜか純正と同形状且つオイルディンプル(窪み)を持った物が見つからず、目にするものは銅系のパイプ材から同寸に削り出されたソリッドタイプが殆どです。
純正はベース金属と銅系の異種金属を貼り合わせた様な構造で強度と摺動性を両立させ、更にディンプル加工によりオイルの保持性能を確保しています。これをバイメタルタイプと呼びます。シャフト部分と摺動する表面にはローフリクション、耐磨耗性、非焼き付き性に優れた特性を有する金属を、そしてベースには全体の強度を保持する為の金属を組み合わせているわけです。
この純正同形状、同品質以上の物が入手もしくは製作が可能であれば、ミッションの状態によっては重宝される小さなパーツになると思います。画像↑は純正と同形状、構造、品質を有していますが、残念ながら微妙に寸法が異なります。これを製造するメーカーは大手ですし我々の必要とするレベルの数では製造は受け付けてくれないと思います(たぶん)。もしくはこれその物を加工という手も残されてはいるのですが。
時期を見てまたご紹介させて頂きたいと思います。
*追伸
昨日は急な天候悪化の為、臨時休業とさせて頂き大変御迷惑をお掛けし申し訳ございませんでした。
朝から皆で雪かき。会社に自宅・・・いい加減筋肉痛に襲われる予感です。今日も最後まで竹部が活躍していました。笑