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よく折れるカバーボルト

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Z系のエンジンですが、製造されてから結構な年数も経ちますので、エンジンの整備時や分解時には劣化したボルトが折れる場合もあります。
 
特にカバー類で折れる場所はほぼ決まっているのですが、そのチャンピオンがここ。
イメージ 1
 
フロントスプロケットのカバーの下側前方です。
ここはチェーンやスプロケットの交換時にも脱着する場所なのですが、カバーの中でも頻繁に開け閉めする事もある場所でしかもチェーンが巻きあげた汚れが雌ネジに侵入したまま締めたりされる場合もあり、ネジが痛み易くもあったりします。
 
しかもカバーボルトの中では最長の長さの上、純正に使われているの強度7番のものなので、繰り返し締めて伸ばしているとネジの先端が伸びて折れ、ケース側に残ってしまいます。
この部分にはダウエルピンが入っており、車載状態でこの場所に折れ込んだボルトを抜くのは結構な手間な上、ヘリサートとなるとボルトが長い分ケースへの垂直度を出すのにそれなりの技術が必要です。
この為整備中にここが折れたまま走らせているZも少なくないのですが、折れたままの状態だとクラッチ操作する際にカバーが変形して力が逃げますからクラッチの切れが妙に悪くなったりします。
 
ただ、絶対にあわててテキトーなハンドドリルで削り取ろうとなどしないでください。初心者にはまずセンターに穴は開けられませんし、プロが抜こうにも手を付けられなくなる可能性が高いです。
もしも折れていたら、何も触らず専門店に相談する事をおすすめします。
下手に手を出して取り返しがつかない状態になる位ならそのまま乗り続けてオーバーホールのついでに修理してしまったほうがいい程
 
です。
 
もう一か所は、頻度は少ないのですがジェネレーターカバーの上側
イメージ 2
 
ここにもダウエルピンが入っているのですが、78年迄のエンジンは柔らかいプラスネジを使っている事もあるせいか、少し長くなっているここがたまに折れます。
発電用のステーーターコイルとマグネットのクリアランスの関係でカバーは精度よく留っている必要がありますから修理が必要なのですが、やはりボルトをドリルで除去してヘリサートとなると、ダウエルピンが入っている都合で面倒です。
 
Zのケースカバーを留めているボルトが折れる例では、上記の2本の該当が9割を超えます。
当社でこれらの場所を整備する際には、大抵10番相当の固いスチールキャップボルトに変更します。
脱着時にネジ山を点検して清掃するのは当然ですが、キャップボルトに変更してあって折れた例は殆ど見ません。
(写真では既にキャップボルトに交換済みです)
ただ、同じキャップボルトでも304系のステンレスボルトをカバー類に使用する際にはネジ山とボルトの電食による張り付きに必ず注意して下さい。
ネジ山に齧り防止のケミカルの使用が望ましいです。
 

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