先日、入手可能な他車種の純正新品部品を転用しての初期J系キーシリンダー交換について書きました。
摩耗したメインキーシリンダーを交換して信頼性が上がるのは結構な事ですが、
出来ればこの写真の様にキーは1種類で全て使える様にしたいものです。
家やお店なんかの建物なんかでは防犯上キーは何種類かあったほうがいいかも知れませんが、
こと1台の乗り物の場合何本もあると不便ですし、スマートではありません。
さて、Z1000J系初期の車両の場合、メインキーシリンダーとタンクキャップ、更に右側のヘルメットホルダーについては他車種のものを流用した純正の新品で(今のところ)入手が可能ですが、Z1000J系独特のシートロックについては同じボディを使っているものが既に欠品となっています。
この為、シートロックのみは元々付いているものを使い、内部のオーバーホールを兼ねて内部のピンを入れ替えします。
シートロックを分解してシリンダーを抜き取り。
元々のキーを挿すと、ピンは全て上下から引っ込んだ状態になります。
新しいキーを挿すと、上下からボコボコと何本かのピンが飛び出します。
構造上当然ながらこの状態ではシリンダーは廻りません。
全部のピンを抜き取ったところ、このピンは真鍮で出来ている為、長年使うと古いキー同様に摩耗しています。
同じ形状のピンを使っている他車種の新品シリンダーを何本か用意して、これらを部品取りにして新しいキーにピンを合わせていきます。
シリンダーボディは洗浄清掃してスプリングも一緒に移植しています。
左側のシリンダー先端部形状が異なるのは部品取りシリンダーです。
ピンの高さをノギスで測りながら、パズルの様に1箇所1箇所揃えていくのですが、合うピンが無い場合は更にもう1セット部品取りシリンダーを卸したりします。
古いピンも使い廻せばもっと手っ取り早いですが、出来れば全部新品にしたいです。
完了。
全てのピンが合いました。
新しいキーを挿し込みして6本全部のピンが引っ込んでいます。
後は、ボディにシリンダーを組み込んで終了。
ピンもキーも新品の上、分解ついでに内部の洗浄とグリスアップも行いましたから、新品時の気持ちのいい操作感が復活します。
Z1000J系の場合メインキーシリンダーを分解するのは結構困難なのですが、それ以外のシリンダーは何とか分解出来ますので、上の様な方法でメインに合わせれば1キー化が可能です。
但し、ピンを揃える為には複数の(場合によっては新品の)部品取りシリンダーが必要になりますし、
ジグソーパズルは嫌いであるとか、短期な人には向かない作業な事は間違いありません(笑)。