これは、Z1,Z2~Mk2迄の第一世代Z系に使われているフロントブレーキスイッチ。
フロントステムのアンダーブラケット前方のブレーキホースセパレーターに装着されており、フロントブレーキを使用した際の液圧で2本の端子を導通させてブレーキランプに電流を流すプレッシャースイッチになっています。
ただ、このフロントブレーキスイッチが結構曲者で、長年使用すると内部の絶縁が甘くなり、流れる電流がスイッチボディにリークする様になります。
このスイッチにはブレーキランプを点灯させる為の電源として、ACC電源(キーを走行位置にすると電機が流れる)が繋がっていますので、リーク状態になる事で消費電力が極端に増加して、これが原因でメインヒューズを飛ばしてしまうのです。
更にたちの悪い事に、抵抗値が無くなる様なショート状態になると、ブレーキを使用したりキーをオンにした瞬間にヒューズ切れが起こりますから原因の特定もし易いのですが、完全ショートには至らない状態でリークしますから、ある程度時間がかかって時々ヒューズ切れを発生させる様な症状となります。
そして、原因がわからないままヒューズを交換すると、しばらくはそのまま走れてしまったりします。
このタイプのブレーキスイッチを残している車両が走行していて、時々何故かヒューズが切れるであるとか、信号停止中にフロントブレーキレバーを握っているとやはりヒューズが切れてしまう等の症状が出るようであればまずここを疑って下さい。
経験上、症状が時々しか出ない様なヒューズ切れが起こる車両の場合、その殆どはこのブレーキスイッチの不良です。
出先でこの部分の問題でヒューズが頻繁に切れてしまう様になってしまい、このスイッチに繋がっている2本のコード(茶色と青)を抜いて帰った事があります。
何故に2本共抜くかと言えば、リアブレーキスイッチにも青いコードは繋がっているのですが、リークが酷くなった場合リアブレーキを使った瞬間にフロント側でショートしてしまうからです。