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ガスケットの違いによる圧縮比変化について

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当社で供給しているFSヘッドガスケットは、標準ラインナップではZ系純正の65(Z2用)と67(Z1)用、70,71,72,73,74,75,76mmと、カスタマイズ用としては1㎜単位のボア設定がされています。
 
又、厚さとしては1.1㎜、1.3㎜を標準として揃えていますが、需要に応じて0.9㎜と1.5㎜の厚さ設定をしているボアもあります。
 
欲しいボアでも厚さ設定の無いものが必要な場合はオーダーも可能で、その場合は営業日で約10日~2週間で納品は可能ですが、その時間が取れない場合でボア違いや厚さ違いであれば当社在庫がある場合、ボアと厚さのどちらを優先するかとなります。
 
まずエンジンの仕様を決めます。
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エンジンはZ1000 
ボア 72㎜
ストローク66㎜
圧縮比 11.0:1 
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これを実現出来るガスケットサイズが
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ガスケット内径72㎜
ガスケット厚さ0.9㎜
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とします。
 
さて、必要な仕様に対してボア違いのものと厚さ違いのものを使った場合の圧縮比の変化については計算が出来ます。
まず厚さを変更して1.1㎜と0.2㎜厚くした場合、
圧縮比は10.71:1  となり、約0.3低下します。
 
イメージ 1
 
 
これを内径で73㎜と1㎜大きいものにした場合、
圧縮比は10.96:1     となり、圧縮比低下は0.04とほぼ1/10にとどめる事が出来ます。
 
イメージ 2
 
 
この事から、ガスケットの厚さ変更はヘッドの面研の有無と同じ理屈で圧縮比への影響が非常に大きいと言う事がわかります。
逆にボアについては僅かに下がりはしますので影響が皆無というわけではありませんが、その変化については僅かなものにとどめられる事がわかります。
 
ピストン径より1mmボアの大きなガスケットを使用すると燃焼室端部に0.5mm幅のリング状の窪みが出来ます、理想はボアに合ったガスケットの使用なのは間違いありませんが、純正のヘッドガスケットの場合補修用のオーバーサイズピストンを使用する為に新車時ボアより1㎜大きく作られていますからメーカー側はこれを許容するとしている様です。
この事から、優先すべきはあくまでガスケットの厚さである事を知識の一つとして記憶に留めておいてください。
 
 
 

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