ここへ来て増えてきた気のするステーターコイルのトラブル。インナーローター方式のZ1/2では一昔前から頻繁に起こり始めたトラブルではありますが、最近ではアウターロータータイプとなったMKⅡ~J系等にも珍しくはないトラブルになっています。
ここに問題が出ると当然発電不良→充電不良となり、バッテリー点火方式のZでは最悪の場合走行不能に陥る事もある厄介なトラブルです。
画像上は1100Rですが、左が純正新品で右が不良にて摘出されたものです。右は見た目にも黒く焦げて傷んでいるのが分かると思います。
空冷Zはどれも三相からなる交流発電ですが、その内の1相だけが断線してしまった場合だと、単純に発電量が本来の三分の二となり、気付かずに何となく走れてしまう場合も少なくありません。この場合、夜間にヘッドライトを点けながら低速で走り続け、気が付けば充電不足でバッテリー上がりというパターン等で異常に気が付く場合が多いです。この1100Rは正にそれなのですが、エンジンOHと同時に新品交換となりました。
また絶縁被膜が破け絶縁不良となった場合、その発電量は約二分の一となり、仮にヘッドライトを使用しなくとも、走行中にバッテリー上がりとなるでしょう。
こちらは同じく発電充電不良により入庫したMKⅡ(×2台)。MK2用純正は既にメーカー廃盤となっておりますが、同じカワサキ純正他車用から流用しています。少々変わった色に見えるのは絶縁樹脂の色違いです。
バッテリーもレギュレーターも換えたのに、バッテリー上がり現象が頻発するといった場合、同時にステーターコイルのチェックもオススメいたします。