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クラッチプッシュロッド、ただの鉄棒ではありません。

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Z系のクラッチプッシュロッド。
Mk2迄のものはJ系以降のものより1サイズ細くなっていますが、純正部品は欠品。
黒い方は当社で製作しているものです。
イメージ 1


このシャフトは、トランスミッションのインプットシャフトエンドのベアリングレースを貫通して支えられているのですが、このレースに開いている穴径は7㎜ジャストです。
イメージ 2

従って、シャフトが7㎜でゼロクリアランスだとクラッチ操作時の軸方向の動きが極端に悪くなりますので、実は純正のロッドは0.05㎜程度アンダーサイズになっています。

そこで当社のものも同じ寸法にするついでと言っては何ですが、7㎜径のSK材(クロモリより硬い工具用炭素鋼です)をカットし、センタレス研磨と言う方法で純正のものと同寸になる迄表面を磨き込んでいます。

その後両端部分にのみ焼き入れを施し、エンジン内部のオペレーティング側との接触による摩耗に対応出来る様にベアリングレベル迄端部硬度を上げています。
イメージ 3

全てに焼き入れせずに端部のみの硬度を上げるのはショック等による折れを起こさないのと、硬い物同士が擦れ合って支えているレース側を減らさない様に。

防錆の為の仕上げにブルーイングと呼ばれる類の黒染め処理としているのは、メッキを施す事で低下する表面の荒れと硬度低下を起こさない為です。
磨きの平滑度が保たれている為、オイルシールに対しての滑りも良好です。
イメージ 4

ところで、時々問い合わせを受けるのですが油圧クラッチ等の装備車両に使うのに、少し短く切ってもいいでしょうかと聞かれます。
作り元としては加工してもOKとは言いませんが(笑)どうしても切って使う場合は、カットした側を手前側、レリーズに当たる方にして下さい。
レリーズ側は高速で回っているわけでは無いので、負担はさほどではありません。
ただ、この場合は焼きが入っている方が片方だけになりますので、前後を入れ替えて使用する事は出来ません。


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