点検の為にZ1100GPから取り外したステーターコイル。
車載状態での出力電圧も特に問題無し。
単品での導通点検も行いましたが、3相間の抵抗値もコア芯への絶縁もOKです。
ただ、アップにして見ると長年の使用によって、絶縁保護用の樹脂のところどころにクラックが見られます。
このまま使用しても今日明日に使用不能になる程劣化する事は考えにくいですが、この先10年となるとちょっと不安が残るところです。
何度か記事にもしましたが、Z系の様にステーターコイルをオイル漬けにして使用している場合、ブローバイガスや燃焼ガスの一部が溶け込んだ高温のオイルで常時茹でられている事になります。
コイル自体も発電中は通電により発熱しますし、こういった環境は樹脂にとっては最も厳しい為、それに耐えられるものを用意可能なのはそれなりの専業メーカーに限られてしまうわけです。
アメリカやヨーロッパにはオートバイ用のステーターコイルのアフターマーケット品を製作している会社は結構あるのですが、ステーターをドライ状態で使う様な車両はともかくとしてZ系の様にオイルに漬けて使う車両の場合、装着直後は良くても存外寿命が短いのは使用されている絶縁樹脂の耐久性が起因してる場合が殆どです。
さて、Mk2系については販売終了ですが、J系のステーターコイルに関してはまだ純正部品がカワサキモータースジャパンに在庫はあるようです。
品番こそ当時のものから変更にはなりましたが、Z1000J,Z1000R,Z1000GP,Z1100RやGPZ1100まで共通です。
これも21世紀まで作られていたZ1000Pのおかげですが、カワサキからの希望小売価格は税込み26,670円。 ゼファーχのステーターより安くて、現行車のW800やNinja250用と殆ど値段が変わらないのには驚きです。
4輪なんかのベルトで駆動されている別体発電機と違ってバイクの場合はエンジンにビルトインされているジェネレーター自体の変更は相当にめんどくさい事になりますから、長く乗られたい人や充電系に不安のある人は思い切って交換しておく事をお勧めします。
何せ純正のステーターコイルは、普通に使っていれば少なくとも20年以上の寿命を持つ事が証明されていますので。
PS:
MK2に関してはトヨタの乗用車はもちろん国産バイクの各種純正電装系パーツを作っているDENSOのラインで作ったものを当社で用意しています。