画像は1100Rのヘッドですが、カムホルダーボルト穴の再生及びヘリサート加工の為下穴を掘っている所です。
1~2か所であれば、場合によって手掘りにてヘリサート処理を行う事も良くございますが、これが16か所の全てに及んでいたり、または既にヘリサートでは対処できない程傷んでいたりという場合、やはり機械加工にて作業を進めます。
基本的にOHの際、後の耐久性を考えてヘリサート処理をオススメしておりますが、特にSTDよりもリフトの高いカム+強化バルブSP仕様、更にインナーシム仕様ともなれば尚更この部分に掛かる負担も大きくなるため必須加工とも言えるものです。
このヘッドですが、カムホルダーボルト穴(雌ねじ)の状態が悪くた例えば画像上。向かって左は比較の為に立てた正規サイズのボルトですが、向かって右側はスタッド方式に変更され、ご覧の様な状態ですがサイズの違いが一目でわかります。
特殊スタッドボルトを抜き、短いヘリコイルも抜き去ってみるとご覧の様な状態。タップ等何か硬い物が折れ、それを抜き取ろうとしたものの返って下穴にダメージを与えてしまったのではないかと推察。しかしカムメタルの収まり代と既に皮一枚となっているのが不安です。
特殊低温溶接等も検討しましたが、今回はスリーブを製作して対処しました。カムラインにも狂いがあり、リフターホールの編摩耗も進んでいるため、かなり修復メニューが増えてしまいましたが貴重な1100Rヘッド、しっかり直します。