写真はリチウムフェライトを採用するSHORAIバッテリー。
従来の電解液と鉛タイプに比較して、飛躍的に軽量小型になるという事で、当社でも人気です。
実際のとこキャッチボール出来そうな位小さくて軽くてびっくりします。
さて、オートバイに搭載されるバッテリーに必要な性能ですが、最も重要視されるのは容量ではありません。
車と違って停車中にオーディオ等で電力を消費する事はありませんから、必要以上な容量は不要です。
最も必要なのは始動時にセルモーターを適正な回転で回せるだけの電力を一気に放電出来るかどうかです。
当然この際に電圧が極端に下がるとイグニッションのスパークも弱くなってしまいますので、放電中にも電圧を保てる事も必要とされます。
従来の鉛タイプ(密閉型のメンテナンスフリータイプを含む)バッテリーの場合、これらの性能を保とうとすればそれなりに大型のものにせざるを得ませんでした。
それに対してドライタイプのリチウム系バッテリーの場合は小型でも一気に大量の電流を放出しながらも電圧を保つ事が出来ます。
この為実際に貯め込んでいる容量こそ鉛タイプに比べて低くても使用出来るわけです。
これらの性能数値を具体的的に表せるのがCCAと言いますが、Zを含むCBやカタナ、Ninja系まで広く使われていたYB14L-A2 と言うサイズの開放型バッテリーの場合で大体190。
SHORAIバッテリーで、Z用によく使うLFX14L2-BS12が210となっています
実際、オシロスコープで始動する際のバッテリー電圧変化を見ていると、CCAの大きいリチウムバッテリーの方が電圧の落ち込みも少ないのにセルが勢いよく廻りますから始動性もいいです。
もちろんリチウムバッテリー化で小さくした場合、上記の通り容量そのものは大きくない為、ビッグスクーター等でエンジンもかけずにオーディオをガンガン使って電力を消費するとバッテリーは早く空になります。
この様な使われ方をされたり、パソコンやスマートフォンのバッテリーなら容量はもちろん重要ですが、エンジン始動後はジェネレーターから電力が供給されるオートバイの場合、エンジンさえかかっていればバッテリーの役目はジェネレーターから発生する電力の安定化が主な機能です。
例えば、セルモーターを使わないバイクに搭載するのであれば更に薄く小型化する事も可能ですから、スカチューンにするにもバッテリーレスにまでする必要は無いですね。
さて、こっちは、当社でJ系に使う事の多いLFX18L1-BS12
Pb Eq と表記されている数値は、“鉛バッテリー換算で、この数値のものと同じレベルの始動性能があります”
と言う意味だと聞いています。