とにかく丈夫だと言われ続けて来た空冷Zの組み立て式のベアリング・クランクシャフトも随分と傷みの激しい物が増えて来た気がします。ここがダメだとエンジンOHを施してもダメダメですから。
旧いものでは40年も経過しているワケですから、当然と言えば当然なんです。しかし、当然遠い昔に純正部品は廃盤となり、Pクランク(J)も去年には廃盤扱いになりました。問題は、一体型の様に最悪は単品削りで・・・という訳にも行かない所で、その部品点数、組み立ての手間隙、それを行う職人さんの数等を考えると新規製作がとてつもなくハードルの高い事となります。
画像はMKⅡクランクを分解した時の物ですが、ベアリングも含めてこれだけの部品点数になるわけです。全ての型を新規に起して・・・更にはその後熱処理に各部加工に組み立て、満足の行く品質に管理とくれば我々ごとき規模のショップではかなり厳しいのが現実です。空冷Zはこのタフなクランクにあり!といわれ続けた来たこの組み立て式クランクが、今となっては逆に仇となってきた感が無きにしも非ず。少々コストが上がっても一体物なら何とか製作可能ですから。
元々、傷んだら交換が前提のZ用クランク。しかし純正は勿論の事リプロも存在しない今現在はリビルトという選択しかありません。ただ何でもリビルト可能なのか?というと、何度かこのブログでも触れた様にNOだと思っています。腐食や磨り減った部分を完全再生出来るのは場所的に限定される訳ですから当然です。見た目だけを新品同様に仕上げるのはワケ無いんですけど。
結局、ドナークランクを何本か用意して組み合わせたりする場合もあるのですが、最初から傷みの少ない程度の良い個体を探した方がコスト的にも機能的にも安心出来るといった考え方もあります。少々おかしな言い方だとは思いますが、要リビルトクランクは完全リビルトは厳しく、完全リビルトが可能なクランクはリビルトの必要が無かったなんて事にも成りかねません。
どこか純正同等、またはそれ以上のクランクシャフト造ってくれないですかね。出来ればPクランクが最後に出た価格位を上限で。ちょっと無理な注文でしょうか(笑)。