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ベースガスケットの咥え幅

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これは組み込み前の加工上がりシリンダーブロック。
イメージ 1
シリンダースリーブは当社より市販予定のものとほぼ同一寸法で推奨74mmまで、精密に掘れば75mmまでが使用範囲になるオリジナルサイズ品です。
シリンダースリーブのサイズにつきましては以前にも記事にしていますので、こちらも参照してください。
 
実際のところ、76年Z900位までの肉薄のブロックに、ワイセコの外径81mmオーバーのスリーブをそのまま入れると、ブロックの腹、フィン間の奥にスリーブが覗く様な穴が開くか、ペナペナになってブロック剛性的に非常に不利になります。
 
さて、注目いただきたいのは、この部分。
シリンダースタッドボルトの通る穴と、シリンダースリーブ間のクリアランスです。
イメージ 2
このスリーブに合わせてある穴径78.5mmのベースガスケットに、スタッドホールと同じサイズのゴムキャップを乗せて、ベースガスケットの咥え幅がこれくらい。
イメージ 3
大体3.5mm~4mmあります。
イメージ 4
 これを、上記の81mm級スリーブを入れる為に作った穴径82mmのガスケットになると
イメージ 5
 
ガスケットの咥え幅は1~1.5mmしか無い事になります。
イメージ 6
 
さて、ケースの下穴を拡大するのに、それ位のサイズになるとシリンダーブロックとの現物合わせできちんとセンターを取って、可能な限り少なめに削る必要があります。
 
大雑把に81mmだから余裕持ってちょっと大き目になんて掘った日には、1~1.5mmなんて咥え幅は簡単にマイナスに転じます。
 
どんな高性能なガスケットでも、両面から抑えられていない限りオイルリークを防ぐ事は出来ません。
削り過ぎてオイルリークの生じる様になってしまっているクランクケースは、過去にボアアップを施されたエンジンでたまに見ますが、対処方法はケース交換しかありません。
 
ウェブ上やカスタム雑誌なんかで、加工中や加工上がりのケース写真が載っているものを目にする事があるのですが、中にはどう見ても不用意に削り過ぎて、上記の部分でガスケットを咥えられないだろうと思えるものも意外に目にします。

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