ESTシリンダースリーブ
81年以降のJ系にも使用可能でしょうかというご質問がございました。
お答えいたしますと、条件はありますが使えます。
まず、ESTシリンダースリーブの上面ツバ部分の外周Aはカムチェーントンネルのシールリング形状の違いでZ系の方がJ系のものより僅かに大きいので、この部分をJ系ブロックのものに合わせて切削します。
これについては、スリーブ交換時には当たり前に行われる作業ですので、手慣れている加工屋さんであれば一言添えるのみで特に問題は無いでしょう。
外周径Dについては、Z1000J,R系の場合はZ1系同様にブロック側のスリーブホールを拡大して使用します。
これで72,73,74mmピストン(1135cc)迄は特に問題無くインストール出来ます。
75mmまで拡大した場合スリーブの下端部厚さが片面1.6mmとなりますので、このあたりは加工技術とチューナーのご意見を参考にして下さい。
Z1100GP及びGPZ1100,Z1100Rの場合ですが、まずは上記のツバ外周加工。
そして、今回製作したESTスリーブの外周寸法Dですが、実は純正の1100用スリーブに対して0.06mm~0.07mmオーバーサイズになる様に製作してありますので、ブロックホール側を研磨して寸法調整の上使用します。
ただ、Z1100系ではまず滅多に無いのですが、シリンダースリーブが常温で抜けてくる程スカスカに緩くなってしまっているブロックだと使用できない場合がありますのでご注意下さい。
又、Z1100系の場合はブロック下方のスリーブホール壁面にOリングが埋設される様になっています、これを生かす場合はスリーブ外周のOリングの当たる部分を純正同様のサイズになる様僅かに(半径で0.1mm強)研削します。
Z1100系への使用についてはデータ提供いたしますので、加工業者様ともご相談下さいませ。