昨日明け方から降り出した雪ですが、東京ではなんと40数年ぶりの記録となる大雪となったのだそうです。やっとの思いで昨夜はファクトリーを後にしましたが、本日は朝一番から雪かき仕事です。手馴れていないので何ともみんなで四苦八苦です。道路までは無理でも、せめてファクトリー前だけでも除雪しておかないとお客様が来られた時に失礼ですし。
車の出入りもまともに出来ない状態。しかし雪は完全に止んで青空が出始め、ぐんぐんと気温も上がり始めました。このまま寒くなる、または振り続けて夜には凍結という流れが一番恐いですよね。
普段力仕事から必ず言い訳を作って逃げる竹部は、不思議と昔から雪の日だけはこういう仕事を自分から買って出ます。昨日も今日も大活躍。普段からこれだけアクティブに動いてくれると嬉しいのですが(笑)。
さて雪の話題はこれくらいにして、先日も竹部から紹介させて頂いた新製品「ESTスリーブ」。詳細はダブってしまうのでこちらをご覧頂くとして→ http://blogs.yahoo.co.jp/pams_jp/62793903.html
このスリーブに関してのプロジェクトリーダーは竹部ですが、自身も含む現場からの声を集約して作られた物です。一般的にZに使われている様な鋳鉄スリーブの約2倍の耐磨耗性能を持つとか、カッパーメッキによる熱伝導性の向上や緩み防止等、たくさんの特徴と思いの詰ったESTスリーブですが、私が声を大にしてリクエストしたのが「リングを傷めず挿入しやすい様に」というものでした。
御自分でエンジンを組まれた方なら実感出来ると思うのですが、コンロッドにリングを組んだピストンをSETし、上からシリンダーブロックを落としてゆくわけなんですが、専用のリングコンプレッサーでも使用しない限り、指先やTOOL等で合い口を各々ズラしたリングをギュッと押さえて挿入してゆくわけです。この時、特に新品や社外のリングだとテンションが強く、リングを傷めずスムースに作業を進めるには少々慣れが必要な作業だと思います。力任せに行くと・・・グニャッとか、ポキッ!なんて事も無きにしも非ず。そこで、最もリングをスムースに挿入しやすいテーパー角を考えスリーブ切削時にそれを作り出しているわけなんですが、更にもう一つリクエストした事がありました。大した事ではないと言えばそうなんですが。
このテーパー部分の表面粗度を上げ(ツルツルに)て、挿入時にリングが極力引っ掛からずにスルッと入ってくれる様にと言うリクエストでした。通常ボア内径部分の切削目は結果的にボーリング&ホーニングで仕上げられますから、表面粗度は重視されていません。特に社外スリーブの場合、加工時にはボア内径をキュッーっと削ってそのままテーパー部分まで一気に仕上げてしまう事が多い様です。従ってテーパー部分の粗度もボア内径部分と変らない事が多く、爪で引っ掻くと明確に刃物の引き目がガリガリと解る程度です。切削時に刃を送る速度を落としてゆくのですが、これも手間と言えば手間ですから。以前はこのテーパー部分を手均しした上で組んだりしたものですが、今後は製作時の一手間で、組の一手間も省けるというワケです。
ボア内径部分とテーパー部分の粗度が大きく異なるのがわかります。些細な現場からのリクエストだったというお話しです。
最後にまた雪の話しに戻りますが、この画像一瞬何だか解りませんよね?人工的に造った造形に見えますが、コレ昨夜自宅のベランダで撮った写真なんです。テーブルの上に積もり積もった雪ですが、一体積雪にしたら何cmあったんでしょう。ここに練乳やらイチゴシロップを掛けてバクッ!っと行きたくなったのは私だけではなかった様ですけど(笑)。
関東は雪も止み、気温も一気に上がって落ち着きましたが、東北地方一帯は、今夜も激しい雪が降ると聞いています。運転その他転倒等に気をつけてくださいね。