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ENG OH

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                     腰下よりキッチリとOHを施したZ1エンジンです。
 
                     同時に70φまでボアアウトして排気量を上げています。
 
 
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ただしOHを施すにあたりここまで順調に来たわけではなく、特に腰下については山あり谷ありといった個体です。
 
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こちらはクランクシャフトのアウターレース。洗浄時に外したらこんな状態。随分と腰下から異音が出ていたのも頷けます。若干腐食痕が出ている物は珍しくもないのですが、こんな状態まで荒れてしまうのは珍しく消耗の域を超えてしまっています。
 
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拡大して見て頂けると解りやすいと思いますが、ニードルベアリングも当然グダグダです。こちらも消耗を通り越してガタガタですからハウジングからポロポロと外れ落ちてくる様な状態で正直良く走ってたなという印象です。余程オイル管理が悪かったのでしょうか。

毎度のお話ですが、こうなるとドナー無しでのリビルトは困難を極めます。困難というよりも完全復活は不可能と言っても良いと思います。今回は良品USEDクランクに潔く交換という手段を選びました。
 
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更に追い討ちを掛ける様にクランクシャフトの位置決めも担うケース側のノックPIN。こちらも見事にクラックが走っています。ノックPIN自体も指でグラグラと動いてしまう状態。ここで上手く位置決めが出来ないと、クランクが右へ左へ泳ぎ出し異音の発生源にもなります。勝手にこの場所が割れる事は考えにくく、その殆どが転等時にクランクエンドを打ち付けた事によるダメージと考えています。溶接して直しちゃえば?となるのですが、上下ケースを合わせた状態で真っ直ぐにズドンとラインボーリングが施されたこの場所に、開いた状態でのケースに溶接熱を入れたくはないんですね。
 
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いきなり修復後の画像ですみません。ご覧の様にキレイに修復できました。溶接後に整形という流れは同じですが、実は同じ溶接でもレーザー溶接を用いています。本当にチビチビと針の先程の肉盛りにて進行する作業の為、偉く手間隙が掛かる作業なんですが、熱歪みを気にする必要が無いというメリットを優先しました。次回はレーザー溶接作業の画像もご紹介したいと思います。
 
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     難関をクリアし無事腰下が閉まった所でピストンの組み付けに入ります。
 
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          今回チョイスしたピストンはUSメイドのCPピストンです。
 
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以前にもご紹介致しましたが、アメリカのチューニングピストンメーカーとしては名の通る信頼性の高い鍛造ピストンです。排気量等によって使い分けていますが、ドイツのWossner
ピストンと共に使用頻度が上がってきています。
 
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                       インストール中。
 
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                       インストール完了。
 
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                 組みあがったヘッド搭載を待ちます。
 
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          突然ですが、ヘッド搭載そしてカムも組み付けた状態に。
 
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                     そして車体に搭載完了。
 
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             各エンジンマウントを確実に締めてゆきます。
 
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 洗浄、チェックの後に軽く磨いてあげたカムシャフト。偏磨耗も全く無く良い状態でした。この頃のカワサキのカム材質と熱処理、レベル高いと思います。
 
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      定番化してきとも言えるPハブへのコンバートメニューもとりいれました。 
 
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後は火入れに向けて、ワンウェイC・マグネットローター、そしてキャブレター等の補器類をセットUPしてゆきます。少々腰下でのハプニングはございましたが、良いエンジンに生まれ変わったと思います。お待たせしておりますが、オーナーさんにお引渡しするのが楽しみです!
 

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