以前研究用に新品を購入してあったスロットルボディ
こいつを使ってZに装着する事を前提に分解と検証してみます。
バタフライ部口径は38mm
1番2番 3番4番ボディは一体になっていてピッチの変更は出来ませんが、Zと同じ75mmです。
デリバリーパイプは分割式。この方式なら2番3番間をピッチ変更も割と楽そう。
こいつの2番3番ピッチは空冷Zの96mmより狭いです。
縮めるのは切ったり削ったりが伴う場合が多いので面倒ですが、広げる手間はそれ程ではありません。
サーボ制御のセカンダリーバタフライは今回使用しないので外してしまいます。
完全に制御出来れば特にストリートでのアクセルワークに対して扱い易くフレキシブルなレスポンスを持たせられますが、フルコンを使った場合はマッピングの難易度が極端に上がります。
今回は吸入抵抗の低減と構造のシンプル化を優先してサーボユニットごと取り外します。
ところで、ちょっと遊び心を出して手元にあった'08ぐらいのZX-10Rのインジェクター(グレーの方)を付けてみたら、デリバリーパイプ方向の寸法が全く同じでそのまま付いてしまいました。
使用カプラーも全く同じです。
ただ、Zに使うのにいくらなんでも200馬力も出るエンジン用のインジェクターはデメリットも出そうです。
例えば、スロットルボディ径はボアストロークや排気量で決まるのですが、インジェクターの容量はそれらの要素には殆ど関係なく目標とする馬力で決まるからです。
獲得する為のパワーあたりで燃焼させねばならない混合気量は決まっており、それに対しての空燃費から要求する気筒あたりのインジェクターの容量は計算出来ます。
更にインジェクターの選択においては大が小は兼ねません。容量が大きくなれば無効噴射時間は一般的には長くなり、低中速域で少量を噴射させるのが難しくなってきます。(早い話が容量が大きい分、少なく吹きたい時の噴射量制御が大雑把になり易い)
従って、インジェクション化にあたっては欲張らずに目標馬力に合わせた容量のものを使うのが基本です。
余談ですが、最新型のZX-6Rはこの問題を解決するのにポート側とエアクリーナー側に気筒あたり2つのインジェクターを備えています。
これで低中速域の噴射精度の向上と噴射量との相反する問題を両立させているのでしょう。
因みにこのレンガ色っぽいインジェクターの容量ですが、これを4気筒分使って稼働率が80~90%と考えた場合で110~135馬力と言う事になります。
上の方の馬力を出せる様にするには燃圧を基準から僅かに上げる必要があるかも知れませんが。
さて、当面不要なものを取り外してみたら随分シンプルになりました。
1番2番の下に付いていたファーストアイドル用のリンクレバーも外してしまいましたが、ワイヤー付けてやれば使えますし、あったらあったで実用上便利なので又戻すかも知れません。
この状態で手に持ってみると純正キャブはもちろんの事、FCR等のレーシングキャブレター等に比べても軽いこと。
まあ、燃料ポンプやフィルター、ECUの重さもありますので、これらの合計とも比較しないとフェアではありませんが。
メインスロットルバタフライシャフトは汎用規格外の専用ベアリングで支持されています。
更に、仮のカラーでピッチを6mm広げて仮組してみました。
これでZ用のヘッド側ピッチと全く同じです。
この場合、真っすぐなインシュレーターやアダプターを用意すればいい事になります。
広くする事で噛み合わなくなった、2番3番間のリンク部分をどうやって繋げるかも考える必要がありますね。
デリバリーパイプは6mmセンター部分のみの加工か製作でいけるかな?