J系のシートあんこ抜きと言えば、Z1000Rの純正段付きシートもしくはS1タイプのシート形状が普通で定番ですので、大抵の車両がその形状に成形している場合が多いです。
ただ、元々輸出専用車であるZ1000J、当然の事ながら日本人の体型に合わせてポジションを作ってあるとは考えにくいのがこの部分で、体格に恵まれている人はともかくとして私の様に170cm前後の人間がZ1000R純正のシートを装着して跨ると足付きこそそれなりに悪くは無いもののハンドルが遠くなってしまう場合が普通です。
この為、多くの人に言わせるとJ系はZ1系に比べて車体が大柄になったので操作し難いとの意見が多いです。
もちろんスイングアームこそ数cm程伸びてはいますが、主たる理由はそこではなく、J系のシートをZ1000R系純正の形状に変更すると着座位置が強制的に数cm確実に後ろになる事が原因です。
純正のZ1000Jシートを横から
スイングアーピボットを基準にすると、この状態でももっとも低い位置はZ1系より5cm近く後ろです。
但しシート上面がZ1系程ではありませんが割りとフラットな為、若干前方に座る事で自然なポジションをとれますからハンドルが遠く感じる事はありません。
特にノーマルの高めのハンドルなら尚更です。
ところがこれがZ1000Rの純正になると、シート前方を肉厚に残して大胆にあんこ抜きを行ってある為、どうしても後方に座らざるをえません。
更に低めかつフラットなハンドルを装着すれば上記の様にハンドルが遠くなってしまい、大柄感を助長します。
もちろん身長が180cm程度もあればこれで結構理想的なポジションになるのですが、平均的日本人にはやはりZ1000R系のシートとハンドルだと大きく感じるでしょうね。
特に足つき性を重視するあまり座面を低くなる様にスポンジを削ると、J系ではタンクとシートの形状からこの傾向がより顕著になります。
足を地面に伸ばすのは停車中のみなのですから、走行中のポジションを犠牲にする様なシート形状になってしまうのもどうかとは思います。
ところで、聞いた話ではS1が活躍した頃のエディーローソンの身長は178cmであったとか。
そうであればこのシートの形状も納得出来ます。