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ESTシリンダースリーブ組み込みブロック

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当社製ESTシリンダースリーブを組み込みしたブロックが加工上がりしてきました。
イメージ 1 
 
内径は74mmピストン用に仕上げてあります。
イメージ 2
 
使用したスリーブはラインナップの内の73-74mm用としてデリバリーしているものです。加工前には内径72.5mmになっていますからボーリング幅は直径でも約1.5mmで済みます。
イメージ 3
 
圧入されたスリーブのボーリング幅は少ない程余計な圧力や熱の発生は最小限で済みますから、より精度の高いボーリングが可能になるのは大きな利点だと思いますが、ボーリング加工に要するコストも少なくなる筈です。
(ボーリング工賃は削り幅で決められている場合が普通ですので。)
耐摩耗性の高さを重視して国内鋳造の高価な材料を使った為に従来のスリーブより部品としては高めになってはいますが、その分を加工コストで抑えられるように考えました。
例えばこれが73mmのピストンだったとすると、僅か0.5mmのボーリングで済むわけです。
(同じ外径で内径71.5mmのものも設定があります)
イメージ 7
 
外径に関しても今までの実績から吟味しました。
通常このサイズのビッグボアスリーブは、75~76mmまでボーリング出来るサイズのものと共用となっているのですが、推奨適用サイズは74mmまでと割りきって、外径を決めています。
この為、74mm迄ボーリングを施した時点で下面の露出部分で片側の厚さで2.1mmとなります。
イメージ 4
 
もちろん純正や従来のスリーブ材に対して強度面でも上回りますので加工の腕次第で75mmまで拡大出来ない事はありませんし、正しく組まれていればそれが原因で破損は考えられませんが、一応推奨適合としては74mmまでとなります。
 
74mmボーリング時の下端のアップ。
リング組み込み用のテーパーがきちんと残っています。
イメージ 5
 
シリンダーブロックと、クランクケース間のガスケット挟み幅が最も細くなるのがこの部分です。
イメージ 6
 
チューニングエンジンとは言え、可能な限りオイル漏れのリスクを低くする事を考えれば、この部分はなるべく幅を大きく取りたいところです。
 
 
さて、75mm,76mm用としてはよりパワーを求める市場からのご希望があります為、既に図面を引いて製作準備段階に入っております。
これも内径を74.5mm、外径を80mm強に抑えた専用仕様です。
少しでもブロック側のアルミ部分を多く残す事で冷却性とブロック剛性を確保出来る様に考慮しています。
 

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