分割したヘッドガスケットの間に入るカムチェーントンネルからのオイルリークを防止するOリング。
純正のものも非常に高品質のNBR(ニトリル)製ですが、それをも上回るものを作れないかと配合を変更しながら試作を続行しています。
オイルはもちろん、灯油やガソリンに漬けては熱を加えを繰り返し、やはり長期の耐久性を考えると当初の予定通りバイトン(デュポン社製特許のフッ素系ゴム)に落ち着きそうです。
各種のオイルやガソリンを含むケミカルに対して変化も少なく、何より熱耐性のレベルが遥かに違います。
後は硬度指定をいくつにするかというところですね。
写真はガソリンに繰り返し漬け込んでの寸法変化を比較しているところ。
ちなみに左端のは、比較検証用にわざとニトリルでも品質の劣るものを使って作ってみたもの。
同じニトリルでもレベルや特性には結構幅があり、ガソリンで純正のニトリルはほとんど変化しないのに、こちらのものはいとも簡単に巨大化してしまいました。
(組み込んである状態でこんなに膨張したら、間違いなく切れます)
乾燥させるとわりと寸法こそ元に戻るものの、硬度は確実に上がってしまっていますからこのままの素材を使えばかなり早期にオイルリークが起きるでしょう。
耐熱性はもちろんですが、エンジンオイルの中には必ずブローバイガスに含まれるガソリン成分が混入しますので、これに対しての耐久性が低い材質は使えないのです。実験的につかってみたら材量的にはかなり安いコストで作れるのですけどね。