Z1000J,1000R系の純正バッテリーは、YB18と言われる当時でも巨大なサイズです。
実際のところ、特にチューニングしてないエンジンであればそれ以前のZ系に使われていたYB14サイズでも何も問題無く始動は可能ですし、使っていても問題は起きないのですが、現代のマルチシリンダースポーツを基準に考えればえらく巨大なバッテリーです。
何でこんなに大きいかと言えば、それ以前のZに比べてJ系はキックが無くなり、セルモーター始動のみになったのが理由だと思えます。
メイン市場であるアメリカでの大型オートバイオーナーは、一度走り出したらフリーウェイを走って距離こそ延ばすものの、乗る頻度と言ったら普段はガレージにしまっておいて天気のいい週末のみと言う人が多いです。
この為、数週間ぶりに乗る際にバッテリー容量が下がっていてセルモーターで始動が出来なかったりすると困ります。
特に昔の電解液入り開放バッテリーは保管中の放電率が結構ありましたから、セル始動は出来ないわキックは無いわとなったらせっかくの新型車なのにメーカーとしてもイメージ悪くなります。
そういった経緯もあって、4輪の寒冷地仕様ではありませんが、多少放電して容量が減ったとしても確実にセル始動が可能な様に普段の使用においては明らかにオーバーサイズなバッテリーが搭載されたのでは無いかと推察しています。
インジェクション仕様のZ1100GPやGPZ1100の場合はさすがにポンプその他の補機類の関連でスペースを作る必要に迫られたのか、1サイズ小さなYB16になりましたが、インジェクションで多少なりと余計に電力を食っても何も問題無く始動が可能です。
さて、当時の開放型バッテリーに比較して遥かにエネルギー密度の高くなったリチウム系ドライバッテリーの場合、セルモーターでの始動性を考えてもこれぐらいのサイズで特に問題は起きません。
こんなサイズでもZ1系の純正並み以上の始動能力があります。
流石にハイコンプ使用のチューニングエンジンであればサイズアップが必要な場合もありますが。基本長さだけで、横から見るサイズには変化ありません。