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謎の実験・・・その2

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シャシダイの上で被験者となり頑張る私の1000Jですが、かなり確証出来るデータが収集出来はじめています。前回センサーからの信号をイグナイターに送る事により、進角にして約5~6度の変化を確認する事が出来ました。
 
さて、ダイナモの使い方としてポピュラーなのはロールオンによる最高出力やトルク及びその時のA/Fの計測等です。
又リターダー(負荷装置)が装備されているタイプであればそれを使用してその過渡特性やダイナモ側での吸収馬力をモニタリングしながらきめの細かな燃調や点火時期のセッティングが可能です。
イメージ 1
 
点火時期を直接確認する簡易測定方法としてはタイミングライトによるピックアップローターのポジション確認等があります。例えばイグナイターにTPS等からの信号を送る事による点火時期の変化はこの確認方法でも目視にて可能です。ただし、その点火時期の可変による「微妙」な出力特性の変化を数値で確認するにはロールオンではなく、ダイナモ側から後輪に一定の負荷を与え、その吸収馬力を測定する事が必要になります。
 
イメージ 2
 
夜な夜なこんな事を繰り返しているのですが、スロットル開度に対する点火時期の制御にて得られる馬力の向上は理論上でも微々たる物のはずで、実際にはフィーリングの向上の方が大きな変化かもしれません。しかし、机上の理論が実際その通りに作用しているのか否かは、その違いをしっかりとデーターで示す事も重要だと考えています。
 
測定中のオシロスコーブ画面です。画像はスクリーンの中で上側がピックアップコイルからの波形で、下側がセンサーからの出力電圧波形を示しています。
イメージ 6
点火時期の補正ありと無しの違いです。微妙な差異ですが現実的な数値にて確認する事が出来ました。
イメージ 3
 
これはエンジンにかかる負荷を小さくした状態でゆっくりとアクセルと開けて言った場合の数値です。例えばストリートで巡航中から僅かずつスピードを開けて行く様なシチュエーションが再現されています。
逆に言えば、高負荷のかかるスロットル全開加速時(サーキット等では)にはその効果は無いとも言えます。ストリートユースにて最もその恩恵が分かるチューンとも言えるでしょう。
さて、データ上この微妙な差異の信憑性を高める為にも、上記した様にロールオンではなく、一定負荷を与えてスロットル&スピード固定状態を作り出し、点火時期補正の有無での違いもデータとして計測しています。
 
画像はリターダーの効かせ具合を示すゲージですが、赤丸で囲った部分が負荷に対しての吸収馬力%です。これは補正無しの状態で21%を示しています。
 
イメージ 4
 そしてこちらが補正後です。上の補正前に対して吸収馬力にして3%の向上を示しています。
イメージ 5
 
簡単に説明すると、吸収馬力とは同じ速度(ダイナモドラム回転)をリターダーにて維持する際、どれだけブレーキ(リターダー吸収)を掛ければ指定速度を維持出来るのかを数値にしています。吸収馬力%が上昇すれば=負荷に応じたより適正な燃焼状態を作り出す為の燃調と進角になっているという事になります。
 
製品化に向けて更に煮詰めは続きます。 

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