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ドライブスプロケットロック

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Z1000JのJ2迄とZ1100GPのドライブスプロケットは固定方法がナット方式ではなくボルト式となっています。
この為ボルトの緩み止め方法が結構特殊で、ボルトに被せるアダプターをヒトデの様ないくつものアーム形状になっている変わった形のロックワッシャーで囲む様に固定します。
 
この構造はドライブスプロケットを特にオフセットもせずに正しく使う分にはいいのですが、使い方が一見判り難い上に正しく使用しないと緩み易い為か、これ以降このタイプの固定方法はZのみならずそれ以外の車種にも採用はされていません。
 
 
さて、整備中のZ1000Jのドライブスプロケットを見ていて、なんだか違和感。
イメージ 1
 
良く見ると、これも正しく付けられておらずロックワッシャーが変形してアダプターの回り止めの役に立っていません。
これではボルトが緩んだらくるくる廻って外れてしまうでしょう。
イメージ 2
 
 
一度取り外して組み直しします。
奥から、スペーサーワッシャー、ロックワッシャー、ボルト、アダプターの順番が正しいのですが、分解するとスペーサーワッシャーが付いてなかったりする車両も多いです。
イメージ 3
 
イメージ 4
 
1982年迄の車両にしか使われていなかったパーツの為か、残念ながらアダプターはもちろん、ロックワッシャーやボルトも部品で新品入手が出来ない為、痛みの状態を確認しながら変形を修正して今回は再利用します。
たまにデッドストックが出てきたりする場合もありますので、その時交換する事にしましょう。
 
これが正しい状態。
ボルトが緩む方向に廻っても、ロックワッシャーの爪がアダプターに当たってそれ以上廻らない様になる組み方になっているのが正解です。
イメージ 5
ちなみに4つのアームをきちんと均等に折るのは意外に手間です。
 
上記の通りロックワッシャーやボルトの部品が入手できないのと、ワイドホイール化等でオフセットドライプスプロケット等を使用すると非常に緩み易くなる為、腰下迄を分解する場合には入手可能なZ1000Pのアウトプットシャフトに交換して、通常通りのナットとロックワッシャーに交換してしまう場合が多いです。
 
この場合であればナットやロックワッシャーはDAEGを含む高年式現行車ものと共通なので当面部品の心配はありません。
 
又、形式に関係無く、ドライプスプロケットのロックワッシャーはそれ自体が緩みを防止する為の物ではなく、緩んだ場合にナットやボルトがそのままどんどん廻って脱落して最悪の状態にならない様にするのが目的ですので、定期的な締め具合の点検は必要です。
レーサーの様にワイヤリングを施したとしても、雌ネジの痛みやボルトやナットの伸びでトルクが抜ける事もありますから。

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