先日の記事にしたH4ハロゲンをLEDバルブ化出来るコンバートセットを実際に光らせてみます。
一般的なH4ハロゲンバルブの場合、Loビーム時の消費電力は55W。
13V時に実際に電流値を測定すると4.2~4.5A(アンペア)です。
このLEDバルブの場合、カタログ上での消費電力は20W。
13V電流値では1.5Aとなりました。
この差分の約3Aは旧車には結構大きく、実際最も発電の少ないZ1,Z2系で冬場の走行でヘッドライトを点灯したまま電熱ウェア等を使う事を想定するとかなりの余裕を見る事が出来ます。
さて、実際に点灯させてみるとハロゲン球に比べるとやはり中心部分が明るくなる様な特性です。
この手の商品って”車検対応ですか”と聞かれる場合が多いです。中心周辺部分は結構明るいですから、車検の為の測定を行うとパス出来る場合は多いでしょう。
発光体の位置のLo Hi の位置もH4のそれに準しているので、この切替にも問題は無さそうです。
この様に集光性が高いので、中心部分のみの明るさのみで言えばハロゲンは完全に上回っています。この部分のみで言えばHIDにも迫るのですが、やはりハロゲンバルブやHIDの様に発光体が全方位に照射するのと違って改善されたとは言え発光体の照射方向に指向性の高いLEDをそれ用に設計されていないライトで使用すると、光の広がり方に大きく差が出てしまう場合が多い気がします。
上写真はZ1000Jの純正スタンレー。
下は現行のCIBIEですが、照射パターンの違いはハロゲン以上に明確に出ます。
これ以外にも何種類かのヘッドランプを試しましたが、明るいは明るいけど実用するには手前が暗くて使えないなと思わされるランプとの組み合わせがあったのも事実です。
これは、旧車によく使われるスリットタイプのレンズの場合で顕著で、どちらかと言えば最近のマルチリフレクタータイプのレンズの場合は割と実用的な光パターンになるものが多かったです。
レンズを変えずにバルブ部分のみのコンバートでLED化する場合は、使っているヘッドランプとの相性も考えるか、推奨できるヘッドランプを販売側が指定する様な必要があるのかも知れません。
純正でLEDヘッドランプを採用している現行車では、当然LEDを使用する事が前提のリフレクターやレンズをヘッドランプに施してあるので照射パターンの問題は出ません。
このあたりが、専用設計されたヘッドランプ丸ごとのセットとの性能差と言えない事も無いです。
又、バルブのみコンバートのLED場合は放熱量の制約からハイビームロービームが同時に点灯はしない様に回路が設計されているのが普通です。
これはハロゲンも同じで、H4バルブを同時点灯させ続けると熱で切れます。
HIDの場合は1つの発光体を移動させて切替するものが多く、その場合は機械的な部分の故障という問題が付きまといます。
これに対して、レンズアッシごと交換するLEDヘッドランプの場合はハイビーム時にはロービームとの同時点灯するものが普通ですから郊外での走行中の明るさでは大きなアドバンテージがあります。(それでも消費電力はハロゲンのハイビーム時より少ないです)
但し、コンバートキットよりコストは高くなり、現状販売されているヘッドランプは従来のものより重めです。
ヘッドランプのLED化は見た目と性能とコストに消費電力。
このどれを重視するかによって選択という事になりますね。