コンプレッション「ゼロ」の原因はピストンリング割れによるものと結論づけましたが、さらにカムメタルのアタリについても懸念がもたれていました。そして腰下まで一気に分解を進めたわけですが、カムメタルのダメージは過去のオイル管理が悪かったため、もしくは潤滑に問題があった可能性が高くなりました。
その後ヘッド単体にて歪の計測とカム&カムラインのチェックを行いましたが、それぞれ問題の無い事がわかりました。カム&カムラインに異常がなく・・・となるとメタルの傷みは単なる経年劣化または潤滑に何らかの問題があった可能性が高まります。
オイルパンです。汚れ方としては特別驚く様なレベルではないのですが・・・
オイルポンプのストレーナー部分をご覧ください。
ビッチリと集まったスラッジ等でオイルのポンプの吸い口はこんな状態です。数値にする事は出来ませんが、見た目にもかなり抵抗になりそうです。そしてこの状態から連想した事がカムメタルのダメージです。
USEDで入手された車両で、まだオイルパンを開けていない(もしくはOH歴無し)車両の場合、一度はオイルパンの清掃&オイルポンプのチェックはした方が良いと思います。見えない場所なのですが、オイルパンがキレイだと精神衛生的にも気持ちの良いものです。またオイルパンに残るスラッジやその他残留物で、未然にトラブルを防ぐ事に繋がったりする事もあります。