先日も新品セルモーターについて記事にしましたが、これはZ1の純正モーター。
どれくらいならメンテナンスで済ませるかの目安にしてみて下さい。
先端のアウトプットギアですが、始動時に大きな力がかかる部分でもあります。
この細い山でエンジン始動の為のクランキングを行いますので、ヤワな材質や焼き入れではあっという間に擦り減ってしまいます。
ここは当然セルモーターを使った時間や負荷によって消耗します。
キャブや燃調のセッティングが外れていたりすれば、その分始動の為のクランキングは長く必要で余計に摩耗しますし、圧縮圧力の非常に高いチューニングエンジンであったりすればギアにかかる負担も大きくなります。
目安として、これ位の状態であればさほど嫌な音もしませんが、かなり摩耗は進んでいるのが見て取れると思います。ここのギアそのものはセルモーターの寿命と言っても良いので、遠からずアッセンブリでの交換が必要であると思っても良いでしょう。
分解してみたところ、ブラシの当たり部分がかなり焼けて汚れています。
こうなると電流の伝達効率も著しく落ちますので、1500番以上のペーパーで磨き込みます。
ブラシの長さも測って、短くなっている様であれば交換します。
但し、この当たり面は相当に状態は良い方で、極端に長いクランキングばかり行ったモーターの場合は、当たり面が大きく摩耗して段付いたり、くびれてしまっていたりする場合もあります。
こうなると旋盤で段付き摩耗を修正となりますが、上記のギア部分の痛み方によってはやはり丸ごと交換でしょうか。
ブラシの摩耗粉を清掃してこの部分のメンテナンスを行うと、気持ちが良いほど廻り出すモーターもありますから、馬鹿には出来ません。
逆に言えば、ここの作業を行って満充電のバッテリーでも回りが重い様なら本体のコイル自体が焼けてしまっている場合もありますので交換です。
ちなみにこのZ1用セルモーターの出力は0.6kwと鋳出しにあります。
先日紹介した現在入手可能なものは中身が最近の車両のものに使われているものと同じだったりするので、0.8kwあります。
圧縮圧の高いエンジンで、スターターの廻りが重いなと感じたら、交換してしまった方が、後々ワンウェイクラッチの破損等に悩まずに済む分お得かも知れません。
ところでメンテナンス時によくボロボロになっている事が多い、スターターリレー側の端子カバー。
ゴム製なので、40年も使えば当然こうなります。
ここの部分については現行車用のブーツを入手すれば代用可能です、ゴムではなくPVC製ですので、経年劣化による硬化やひび割れにも強くて長持ちします。
最終型モーターにはスターターコードも付属していますが、やはりこのブーツになっています。