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オイルポンプの消耗について

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先日代表がストレーナーの目詰まりしたオイルポンプを記事にしていましたが、今回はその消耗について。
 
Z系に使用される外接式ギアポンプは、構造の単純さゆえの耐久性と信頼性の高さが特徴ですが、それでも長年使用すると本体そのものや内部ギアが摩耗します。
 
この分解したポンプは一昨日のブログに出ていたものとは違いますが、アイドリング中にオイルランプが点灯すると言う事で、エンジンから摘出分解して新品のものと比較したところです。
イメージ 8
 
一般的には最後期のGPZ系やZ1000Pポンプは圧送能力が向上していると思われているのですが、実はセルモーターと異なり性能を決定する内部ギアそのものに違いはありませんから、新品であればその容量自体は基本変わりません。
(ギア回転止めの為のピン径が太くなったり、リリーフバルブの追加装備はされたりしています)
 
この通りギアのサイズは同じ、左が使い込んだ中古品ですが。右の新品に比べて当たり面やギア刃のトップに明らかな摩耗や傷が見られます。
イメージ 1
イメージ 2
 
ギアサイドの当たるサイドプレートの比較。削れて窪みが出来ている為、スラスト方向へのクリアランスが拡大しています。
イメージ 3
 
オイルポンプボディの回転方向に生じた傷、ギア外周との間に異物を噛み込んだ様な線傷が多数あります。
イメージ 4
イメージ 5
 
又、オイルポンプは吸い込み口に大きな異物を吸いこまない為にメッシュで出来たストレーナーを装備していますが、微細な金属粉は吸いこんでしまいます。
実際、エンジントラブル等で大量の金属片が発生した場合、ポンプ以降に位置するオイルフィルター室迄金属片が侵入している場合もあります。
 
フィルターパンの底に溜まった金属片。
イメージ 6
これらの鉄粉はオイルフィルターでキャッチされてエンジン各部に送られるのは避けられますが、ここまで来ていると言う事はポンプを痛めながら通過している事になります。
 
大きなトラブルが無くとも、長年使用したポンプはそれ自体が機械的に摩耗して内部クリアランスが大きくなります。
この為、始動直後のエンジンオイル粘度が高い間はそれなりに油圧は上がるのですが、油温が上がって粘度が下がると、過大になったクリアランスから圧が抜ける為に、圧送能力が低下してしまう様になってしまうわけです。
 
この様に、オイルポンプはエンジントラブル時にももちろんですが、通常でも消耗度の点検と交換が必要である部品である事を忘れないで下さい。
最初に書いた通り、基本性能は変わらないと言っても新品にする事で必要な性能を元通りにする事が出来、Z1系のものは欠品ですが、高年式のZ系のものが今現在のところ何とか新品で入手可能です。
 
正しく送れなければどんなに性能の良いと謳われるオイルを入れても本来の性能は発揮してはくれませんから。
 
 
ところで、ギア式ポンプは外周から送ったオイルを、ギアの交叉部から戻してしまうとする文献がありますが、Zのポンプについては戻りを防止する為の窪みが交叉部サイドにありますから、心配はありません。
イメージ 7
以前にも記事にしていますので興味のある人は参照してください。
 

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