年末に分解だけを終えていたMK2エンジン。
年明けから本格的に分解洗浄そして検証を始めました。
ヘッドを分解したところです。実は分解前、オーナーさんよりヘッドからの異音が気になる・・・という申告をお受けしていました。エンジンが発する様々な音には、何をもって正常もしくは異常とみなすのか、旧くなった空冷Zでは特に微妙な問題でもあるのですが、少々気になる所もありました。よくハイカムにしたから音が出るなんていう話も聞きますが、少なくとも直打式のZの場合、作用角やリフトが大きくなったからといって、それが直接気になる異音となるとは考えられません。(カムの材質や製法による物はある様です)
IN側のリフターです。少し茶色く帯となった部分がありますが、その上下光っている面積が通常より広くなっています。リフターはカムノーズに押される際、真上から押されているのではなく、端から端へとカムノーズが舐めてゆきますから、まずはリフターのトップ&ボトムがリフターホールと擦れ合うわけです。それがリフターの摩耗が進むと上下の当り幅も増えてくるわけですね。
試しにリフター同士をピタリと並べて、解りやすいように後ろからライトを当ててみます。すると御覧の様に上下から光が漏れているのが解ります。何となくカムに押されながらリフターが踊っている光景が想像できます。
過去の例を見てゆくと、ヘッドからの異音という場合(何かが破損という場合を除き)このリフター、またはホール側の摩耗、シムの変形、そしてカムジャーナルの摩耗によるメタルとのクリアランス過多等があります。今回もカムジャーナル側の摩耗も認められ、それらが合わさり発生していた音かもしれません。
更に検証を勧めます。