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ジョイントリンクカムチェーン

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先日当社のfacebookにて先行して記事にしましたが、思ったより反応の多かったZ系STD対応219Tジョイントリンクカムチェーンについて。
 
イメージ 1
 
 
通常、Zの消耗したカムチェーンを交換するには、クランクケース迄完全に分解した上でクランクシャフトを取り外す必要があります。
これを駆動系のドライブチェーンでよく行われる様に、専用のカシメ仕様ジョイントリンクを使用する事でケースの分解を行わずに交換する事が出来ます。
 
ジョイントリンクは純正に使用されていたDID社製219Tチェーン用で、製作も同じDIDによる正規のものです。
但し、DIDではラインナップしての販売はしていませんから、DIDにジョイントリンク下さいとオーダーしても入手は出来ません。
 
構造は正にドライブチェーン用ジョイントの小型版と言える形状。
ピン先端はカシメを正確に行い易い様にガイド窪みが付いているのと、プレートが必要以上に内側のブッシュに押されてチェーンの動きが悪化しない様に適切なクリアランスが取れる位置に百分の数ミリの段差が付いています。
イメージ 2
 
 
カシメ側プレートはメーカー名入り。
STDより強度がアップされています。
ドライブチェーンもそうですが、メーカー製のジョイントリンクはそれ以外の部分より強固に作られている場合が多いです。
イメージ 3
 
反対側ピンのカシメもSTD部分より強固に施されています。
こちらのプレートには適応チェーンの表記があります。
イメージ 4
 
 
さて、このジョイントリンクは元々当社内で使用するのに使っているものですが、同業者や聞き付けたユーザーさんからのお問い合わせと需要が多い為、条件付きでラインナップする事にしました。
 
まず、このセットを使用してカムチェーンを交換する際ですが、アイドラー等のチェーン軌道の制御部品が正常で、カシメ作業が正しく行われる事が大前提です。
 
ですのでドライブチェーン同様、経験の全くないユーザーがヘッドカバーのみを開けて気軽に交換すべきものでは無い事をお断りしておきます。
 
特に後者が確実に行われていない場合、物がカムチェーンなだけにエンジンに深刻な破損が生じる可能性もあります。
もちろんドライブチェーンと同様に、正しく作業が行われていればカシメ部分での破断はまず起きませんが、チェーンに限らずエンジン部品というものは外装や電装パーツと異なり、それ自体を組み込む作業スキルが信頼性や寿命、性能を大きく左右します。経験者やチューナーメカニックと必ず相談の上でご使用ください。
 
ちなみに、このジョイントリンクチェーンはカット状態でのデリバリーとなります。
交換時には古いチェーンをプライヤー等で切断し、銅線やワイヤーで新しいチェーンを仮に接続してクランクケースに送り通して差し替えし、ジョイントリンクでカシメて終了です。
カシメ工具は自転車やレーシングカート用のものが使えます。
122リンク、124リンク共に設定あります。
 
参考までに、この219Tチェーンの対応はフルノーマルエンジン~ST1レベルカム(リフト量9.5㎜以下)です。
ハイレートの強化バルブスプリングとの併用は出来ません。
 
それい以上のスペックのカムやバルブスプリングを組み付けする場合は、破断荷重の高いタイプのカムチェーンの仕様を推奨します。
但し、破断荷重の高い=伸びにくい では無く、むしろ使用可能な範囲内であれば軽量なSTDタイプカムチェーンの方が上回る場合がある事も忘れないでください。
 
参考記事
 
最後に、このリンクジョイントが使えるのはDID社の219Tチェーンに限ります。
絶対にそれ以外のチェーンには使用しないでください。 

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