以前レバーを握ってもクラッチが切れない・・・というご相談で入庫したZ1。
結局クラッチハブを留めるセンターナットの緩みが原因とわかり、無事クラッチは切れる様になった事は以前ブログでもご報告致しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/pams_jp/62313762.html
ただ、その後タペット調整その他点検において、不安な所が立て続けに発見され結局相談の末エンジンを開ける事になりました。
ヘッドカバーを開けると、なぜかKZ系のTOPアイドラーが使用されていました。ダンパーとスチールベースはお約束に近い確立で既に分離されています。
カムカバー裏に飛び散った正体不明のドロドロ君。
カムホルダーを外すと、ココにも謎の金属粉。
謎のドロドロ君は到る所に。どうもカムとメタルの間から出てきている様な?カムメタルのアタリもちょっと気になります。
カムホルダー側です。やはりアタリがキツい感じです。
メタルのアタリで不安に思っていましたが、ヘッドに大きな歪みは見られないのに、カムを載せホルダーにトルクを掛けるとINもEXも手ではビクとも回りません。ホルダーが他のヘッドからまわされた可能性が高いです。経験上アメリカで組まれたエンジンに多いトラブルです。
ステムシールも緩く、既に遊んでいる状態です。オイル下がりの大きな要因の一つ。
ノーマル(900)だと思っていたのに、出てきたピストンは純正70mmすなわち1015ccとなっていました。このピストン自体も結構お疲れの様子なので、オーバーサイズとしてUSEDが使われた可能性もあります。クランクケースデッキ面にもブラストが当たっているのはアメリカ人お約束の仕事。
EX側リセスに結構ガッツリとバルブの当たった形跡。これだけHITしてるとバルブは曲がっていたでしょう。
スパークアドバンサーの位置決めを担うPINですがなぜかユルユルで指でつまんで抜けてきます。もっと不思議なのはその反対側にもなぜか穴をあけようとした痕跡があります。この赤い液体ガスケットもお約束。乾燥前は酸っぱい臭いで個人的に嫌いです(笑)。でもなんでだろ?
たぶん・・・MKⅡ系のアウトプットシャフトと思われ。
これから腰下に手をつけます。