腰下の分解を終え、異音発生源として最も疑われたクランクシャフトを摘出。前回も申し上げましたが、異音と言って良いのか微妙な音です。ただ、どこまでが正常でどこまでが異音なのか?これは個々の判断基準となります。
取り出したクランクシャフトをまずは簡易チャック。位相ズレもなく、コンロッドのサイドスラストクリアランスも問題なし、フレは若干標準値より大きな箇所があるものの、それ程酷いレベルでもなし。それが異音となる可能性は低いと思います。
ただ、ウェイトに加工が施されていたりと、クランク本体にも手が入れられているのがわかります。この手のクランクには珍しくPIN部に溶接は施されていません。
そして両端のベアリングレース。ご覧の通り結構酷く腐食が進んでおり、クランクを分解しなければ見ることの出来ない他のレース及びベアリングそしてジャーナルも、この様な状態になっている可能性は少なくありません。黒くシミの様に見える部分は「腐食」ですから、既に窪んでいる状態です。ですからどんなにサンドペーパー等でサラっても本来の寸法と精度で復活は望めませんし、相手側ジャーナルも傷んでいれば尚の事です。こんな状態でベアリングだけ交換したところで根本解決にはなりませんよね。
そして、この様な傷み方を見せるクランクシャフトは、微妙な異音を発生させる可能性があると思います。