エンジンOHで入庫中の1100Rから摘出したオイルポンプです。どの道新品交換を視野に入れていたものの、状態をチェックすると・・・動画を参照。
ギアシャフト軸穴の異常摩耗により、グラグラと動くシャフト。オイルポンプを分解して内部をチェックしてみます。
オイルポンプ分解!と言う程のものではなくて、蓋を開けるという感じなのですが。開けた所がこの状態です。オイルのIN&OUT、そしてその通路の間に2個のギアがあるだけの非常にシンプルな構造。
このギアの刃先とボディとのクリアランスですが、マニュアル上の使用限界が0.1mm となっているところ既に0.5mm程まで広がっています。当然本来送り出されるべきオイルが隙間から逃げ出しますから、圧送量が低下します。
あくまでも推察となりますが極端な過走行でない限りは、何らかの原因でオイルがポンプに回らずシャフトが摩耗。シャフトのサポートが正しく出来ずにギアが踊り、ボディと接触、そしてクリアランス過多によるオイル圧送量の低下という悪循環に陥っていた可能性もあります。事実、入庫した際はオイル燃焼により白煙が酷く、オイル量も規定値を著しく下回る状態でした。カムジャーナルやリフターその他の摩耗も酷く、結果的にオイル潤滑不良による全体的な消耗だったのかもしれません。
また悪いことに、1100GP、1100R、GPZ1100のオイルアラートはライン上の油圧を検知するタイプでなく、オイルパン内にあるオイルレベルを管理しアラートとしてインジケーターに表示する物で、仮に油圧が低下していても気が付きません。
あくまでも個人的な意見として、オイルレベルはクラッチカバーについた窓で簡単に見れるわけで、やはり油圧を管理してアラートしてくれた方が有難いと思ったりします。
と言うわけでOHの際には、オイルポンプのチェックは必ずオススメします。