オイルポンプはエンジンの心臓と例えられます。
エンジン運転中はずっとオイルを圧送し続けているのですが、流石にここまでストレーナーが目詰まりしてしまうとオイルパンからの吸い上げも出来ません。
エンジン内部に落ちたガスケット片や長期オイル交換されなかった事によるスラッジの蓄積を分解時に見る事は珍しくはありませんが、ここまでのものは初めて見ます。
この通り、光にかざしても全く明かりは漏れ出して来ません、完全に詰まってます。
ここまで酷くないにしても、オイルポンプを外すとストレーナーのかなりの面積が塞がれているものを見る事は珍しくはありませんので、以前の履歴の知れないエンジンの場合は、一度はオイルパンを外して確認すべきでしょうね。
いくらクランクにニードルベアリングを使って、軸部の潤滑は油圧にはさほど依存していないZ系とは言っても限度がありますし、シリンダーヘッドのカムジャーナルやリフターの潤滑にはそれなりのオイル量は必要ですので。
又、以前にも記事にしましたがオイルストレーナーがあっても微細な金属片や侵入したダストは通ります。
オイルポンプは形式問わずこれらの硬い異物の侵入で、内部のギアやボディに傷や摩耗を生じて性能低下していきます。
微小な圧送漏れだとしても特に低回転時には圧送量が不足する場合もあり、それがエンジンの寿命を左右する場合もありますので、エンジンを分解したりオイルポンプを取り外しした整備の場合は、内部の点検も必須です。