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ヘッド厚さ

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モデルによっては40年以上も昔のZのエンジンは、一度ならずメンテナンスの為にシリンダーヘッドを外されているものが多く、中には何らかのチューニングされているものが少なくありません。

その際圧縮比を向上させる目的でヘッドの面研されているものは珍しくはありませんし、ノーマルであったとしてもガスケット当たり面の荒れをサーフェイスする目的で最小値の研磨を施されていたりする場合もあります。
このあたりを考慮に入れておかないと、想定を超えた圧縮のエンジンになりかねませんから、以前に作業した履歴が判っているのであればともかく、むしろ現在のオーナーは何人目かである場合も多い為分解時の測定が欠かせません。

弊社データ上では無加工オリジナルのシリンダーヘッド高は105.00が基準です。
これはシリンダーガスケットの当たり面からヘッドカバーガスケットの当たり面の距離ですが、ヘッド下側からカムシャフトの中心点迄の垂直距離でもあります。

平面の上下が垂直上に採りにくいシリンダーヘッドの場合は普通のノギスでは正確に寸法を取る事は困難なので、測定は定盤の上で行います。
イメージ 1

このシリンダーヘッドは、それなりにカスタマイズされたエンジンを再オーバーホールする為に取り外したものですが、0.40mm程面研されている事が判明しました。
イメージ 2

圧縮比計算やヘッドガスケットの選択を行う際には必ずこれを計算に取り入れて設定する必要があります。
シリンダーヘッドの厚さが大きく変わっていたりすると、バルブとピストンの位置関係も変化しますので、ハイチューニングを施したエンジンの場合はピストンヘッドのバルブ逃げ部分が適合しなくなる場合もあります。

さて、自分でエンジンを組まれるプライベーターさんの場合はこの様な定盤や測定機を持っていない場合もありますが、その際は内燃機加工に出す際に同時に測定していただいて数値データを出してもらうのがベターです。加工業者さんは定盤は必ず持っていますので。

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