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砂型鋳造

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MK2やZ1R-2に装備されている排ガス対策システムを取り外した際に使用するカバーが砂型鋳造から上がってまいりました。

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これからバリを取り、耐熱ブラックにてペイントを施し仕上げますが、砂型鋳造ならではのザラッっとしたこの表面を生かし、エンジン肌と馴染む事を狙っています。少量生産ゆえ、納期でご迷惑をお掛けして申し訳ございません。ペイント後直ちに出荷させて頂きます。

先日打ち合わせにて工場にお邪魔した際、丁度砂型に溶けたアルミを流し込む作業をしていたので、了解を得た上で少し画像をUPします。(弊社製品ではありません)

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炉の中で真っ赤に発色しトロトロに溶けたアルミが見えます。この時点で約740度です。内部にアルゴンガスを送ったり、薬剤を入れ反応させ溶けたアルミの中に残留する不純物を取り除きます。当然ですが、少し近寄るだけでも凄い熱気です。冬場は良いとしても、夏場の工場内は大変です。

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不純物が上に浮いてきた所をすくって炉の中から取り出します。この不純物が多いとそれが悪さをして、仕上がった後にピンホールを作ったり、後加工時(切削)に不良を出してしまう可能性があるのだそうです。

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順序が入れ替わってしまいましたが、こちらが炉で溶かす前のアルミインゴットです。これが金だったら凄いことに・・・なんて一瞬想像してしまいました。笑

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全てをお見せすることが出来ないのですが、既にアルミが流し込まれるのを待つ砂型達。木型を使用して押し固められた砂で作られています。ここでは書ききれませんが、アルミ(湯と言います)を流し込む位置、それの抜け道等、それはそれは昔ながらの深いノウハウがあり、一日中作業を見ていても飽きません。まさに職人技です。

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        天井に掛かかっているのは様々な製品の木型です。

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トロトロに溶けたアルミをくみ取り、ようやく砂型に流し込む所です。見ていて思いましたが、間違って溶融したアルミを足の上等にこぼしたら・・・大変です。なんせ700度を超える高温ですから、慣れているとはゆえ慎重な作業が要求されます。

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素早く、しかし確実に型の中へ湯を流し込んでゆきます。素晴らしい連携プレイです。ずっと中腰の作業なので腰への負担が大きそうです。

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この様に、砂型のそそぎ口に湯を流し込んでゆきますが、一滴もこぼす事なく的確に素早く作業を完了させます。右手前に少し見える「上がり」と呼ばれる反対側の抜け口に湯が上がってきた所でSTOP。

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少し時間が経った所で、型を壊して品物を取り出します。この時点でも砂は熱くて素手では触れません。

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壊した型の中から姿を現した品物です。因みにコレは何かを聞いてみたのですが、職人さんも解らないそうです。メーカーからの下請けとして来る仕事の場合、それが最終的にどんな製品になるのか分からない事が多いのは珍しいことではないんですね。

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出来上がった品物に付着した砂を払い落としながら、不良が無いかをチェックしています。

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砂型鋳造の完了。勿論、ここから様々な後加工を加えて最終製品へと仕上がるのですが、この品物はここまでで納品だそうです。

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崩した砂型は回収され、再利用されます。アルミを溶かす炉の温度管理等は昔に比べ進んでいますが、砂を固めて型を作り、そこへ溶かしたアルミを一型ずつ流し込むという作業は、今も昔も変わっていない様です。

どんなパーツもそうですが、仕上がった最終製品だけではなく、実際に造られる現場にアシを踏み込むことで尚更有難味を感じますね。

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