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ビッグボディとスモールボディ

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これは現在Z用にセッティング中のCVK34キャブレター
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通常Zに流用されるCVKは750クラス迄用に設計された32mm迄のスモールボディが多いです。
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スモールボディはZの場合750,900クラスのノーマルエンジンであれば相性は良好なのですが、1000ccクラスになると特に全開時にもう少し容量が欲しくなる為のビッグボディの選択です。
ちなみにZ1000JやZ1100Rに使用されていた負圧のBSキャブは34mmでした。
CVKビッグボディは純正で36mm迄の選択が可能です。

ストリート用市販車の全てがインジェクション化される直前の純正新品ベースの流用なのですが、2番3番間の間隔のみが約1cmのみ異なるものです。
1番2番、3番4番はピッチですので、どうせならとその部分の間隔を広げてZ系と合わせる事でインシュレーターは全てオフセットの無いストレートなものを使用できるようにしています。
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連結ステーは中心部分を延長加工。
2番3番間のリンケージアームはステンレスプレートをレーザーで溶接して延長しました。
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レーザーはエネルギーの集中度が大きく、瞬間的に局部を高温にして溶接出来る為、周囲への大幅な熱伝導を起こすこと無く、通常では溶接不可能な異種材料を接合する事が可能です。
この為、溶接熱でキャブのボディやシール側を痛める恐れは無いのですが、今回の方法だと溶接ビードが髪の毛の先端で触る様な細さでしか出来ず、溶接長の割にコスト高になるのが懸案材料なので、他の方法も考えましょう。


さて、21世紀になってのCVKを含む負圧タイプのキャブの多くにはTPSが標準装備され、低中開度域を中心に点火時期進角制御が行われています。
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低負荷域での燃料をキャブ自身が考える様に絞る制御が可能な負圧システムは、進角制御の相性が特に良好で、燃費も抑えながら低中開度域でどんどん前に転がり出ていく様な特性を持たせる事が出来ます。

ストリートでの扱い易さと性能を重視して設計されている為、アイドルポートと低負荷域をカバーするパイロットポートは合計5つ。
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パイロットスクリューはアイドリングを含む極低開度もしくはスロットルオフ時の燃調を行います。
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当然セッティングは必要ですが、余程外したセッティングしない限りノッキングも起こさず、スロットルワークに対して俊敏に反応する特性を持たせる事も出来ます。
ECU制御されたインジェクション程の自由度は無いものの、レスポンスやトルク感を出すパワー重視のセッティングを施しても低負荷時のガスの無駄打ちが少なく、カーボンの堆積やプラグのかぶり症状も発生しませんので、Zにこれを装着する事に対する心理的抵抗がある方も多いのですが、実用面での機能的なバランスの良さと耐久性の高さは選択肢の一つに加えて悪くは無いでしょう。

ストリートは楽しく長くより遠くまでストレス無く走れてなんぼという考え方もあるのですから。

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