先日、お客様がお持込になられたエンジンオイル添加剤とバッテリーに繋ぐあるデバイス。その効果の程は?という御質問と共に使用と装着を御依頼いただいたのですが、使用実績が無い為お断りを致しました。
オイル添加剤につきましてはその説明に①フリクションの大幅な低減、②ドライスタートのによるダメージの回避、③コンプレッションの復活とあります。要は各部の摩擦を軽減し、始動時(長時間停止状態の長かった)におけるオイル油膜切れによって起こるとされる各部の磨耗を防止し、更には低下したコンプレッションも復活させるという物です。蜂蜜みたいに非常にドロッっとした液体で粘度の高そうな物です。
という内容なんですが、使用実績が無い物をあえて実績のあるエンジンオイル(弊社推奨はMOTUL)に添加するには、それ相応の理由と安心材料が無ければオススメは出来ません。誤解の無い様補足させて頂くのなら、この添加剤を何度も使用して好実績を上げているショップさんであれば結果も残されているでしょうし、それに対しての知識も深いのですから安心です。ただ、残念ながら弊社での実績が無かった為お断りしました。
話しのついでとなってしまいますが、実は個人的には添加剤という物は例外を除きその使用を推奨していません。例えばエンジンオイルなら既に減摩剤、清浄分散剤、防錆剤その他各種の添加剤がベースオイルに対して加えられており、その一部分だけを極端に増加させるのはオイルのトータルバランスとしてどうなんだろう?
という疑問がついてまわるからです。添加すると一時的には回転上昇が滑らか且つ素早く感じられたり、音が静かになったり・・・と耳にするのですが、その効力がどれだけ継続するのか?また他に弊害は無いのか?など等、疑問が深まります。謳い文句通りの添加剤は存在しないと言っているのではなく、使用しそれを実証出来たという実績が無いという事なんです。
上記の様な理由から、弊社では基本的にエンジンオイルに対し添加剤を加える事を現時点では推奨しておりません。勿論「これは凄い!!!」って思える添加剤、しかも費用対効果も含めて優れた物に出会えれば推奨致します。
次はこれです。お客様に了解を頂いた上で中身を確認してみました。バッテリーの+-端子に繋げるだけで燃費もパワーも目に見えて向上するという物です。自分にはどうしてもそれを実現するロジックが知りたくてというのと「ホントですか?」と言う懐疑的な気持ちからです(笑)。内部はご覧の通り、小さな基盤の上に幾つかの電子部品が並んでいて、開けたら何も入っていなかった!なんていうインチキな製品ではありません。
更に良く観てみると、容量の異なる電解コンデンサーが4個、それから目立つのはループコイルです。これらを観て解るのが、基本的に発電機から出る直流を交流に変換した際に残るノイズやイグニッションパルスをハーネス等が受ける事によって発生するパルスノイズ等を吸収させようと言うものです。確かに、車載オーディオ等に乗ってしまう耳障りなノイズ(エンジン回転数に比例する)を防ぐのには使い方によって有効だというのを知っていますが、しかしこれを装着する事により劇的な動力性能の向上や燃費の改善という効果に結びつくという理由が正直解らないのです。次回自分の1000Jに装着して実走行、そしてシャシダイでの比較テストをしてみたいと思っています。
よって同じく使用実績が無いので取り付けをお断りさせて頂きました。