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バキュームセンサーとその選択

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紙ヒコーキ。さんところのSP-TDCの特徴の一つにバキュームセンサー中心によるエンジン状態の把握があります。
 
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バキュームセンサー(メーカーによってはMAPセンサーとも言う)は、マニホールド内の吸入負圧を測定する事でエンジンにかかっている負荷を測定しているのですが、一気筒のみを接続した場合、吸排気工程に伴う脈動による値の振れが激しくなるので、通常は何気筒分かを束ねたりチョーク(測定吸気管を絞って脈動を抑える)を通したりマニホールドからセンサー迄のホースを長めに取る事で脈動を抑えた平均値を読み取る様に使われています。
 
ただ、この場合はスロットル動作や走行状態によって生じる変化に対してどうしても遅れが生じます。
同じ様にチョークで絞った数値を読み取る同調用のバキュームゲージの針の動きは、スロットル操作に対して非常に緩慢ですが、あれと同じです。
 
ゼファー1100の初期モデルでは、この方法で接続したバキュームセンサーでエンジン負荷を測定して点火時期の制御に使っていましたが、やはり遅れが生じるのか途中からはTPS(スロットル開度センサー)を用いた方法に変更されました。
 
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対して、SP-TDCでは使用方法が異なり、バキュームセンサーの接続は1番気筒のマニホールドのみに接続してチョークしていない脈動データそのものを読み取って使っている様です。
この場合エンジンのリアルタイムな動きに反応して遅れが生じませんが、上下動の激しいデータです。そのままでは使えなさそうですが、クランク角度のピックアップ信号と並べて回転毎にデータを複数回サンプリングする事で、負荷値を読み取りしている様です。
 
ちなみにメリットとして、リアルタイムのバキューム値を回転毎に読み取りするとインジェクション制御する際にシリンダーヘッドにカム角度センサーを装着しなくともその気筒の状態が吸気か排気かの判別が可能になる事になります。
 
この方法を使うにはECU側の速度とソフトウェア側の負担が大きくなるのですが、ハード的には部品点数も減って故障率も下がります。
 
さてバキュームセンサーですが、通常はアースと+5Vと出力の3線のもので、バイク用としても結構な種類のものがあります。
 
ただ、自分のバイクにのみ使うならともかく、お客さんにフィードバックさせるのに中古品を探させるのは難易度が上がりますので、新品でそれなりに安価に入手出来て信頼性のあるものに限られます。
又、ハーネスを作るのにも入手が困難なカプラーしか付かないものでは困るので、選択には意外と悩みます。
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とりあえず有望そうな、割りと新しくて小型なバキュームセンサーとカプラーを新品で入手しましたので、これをどれかの車両に装着してみて使える波形が出るかどうかを見てみる事にします。
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