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危機一髪

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以前から電装リフレッシュを始めとして各部メンテナンスをお任せ頂いているZ1なのですが、オーナーさんご自身でオイル交換をされた際に回収したオイルから砕かれた金属片が出てきた・・・との御相談を受けチェックに入ります。
 
異物を手にとって見たところ、アルミではなく鉄で出来ている物でした。最初に摘出された金属片を見てください。コレ何の一部だと思いますか?
 
イメージ 1
 
         こんな金属片がオイルから出てきたらちょっと恐いですよね。
 
イメージ 2
 
バラバラになった金属パーツはアウトプットシャフトを支持するベアリングのリテーナー部分でした。このリテーナー、ボールの脱落を防止する事は当然ですが、ボールとボールを最適な間隔で保持し、隣り合う物同士が反回転による磨耗やフリクションを生まない様にする事と言う役目もあります。
 
当然、このリテーナーが消失してしまったベアリングは、状況によってボール自体が外へ飛び出すリスクを大きく抱えています。このボールが外へ飛び出してしまうと、当然アウトプットシャフトをセンタリング支持する事が出来ず、今度はシャフト自体が暴れ出すというリスクが後に控えています。そうすると、最悪は走行中突然後輪がロック、ミッションブローという事にもなり兼ねませんし、それによる転倒事故等もあり得るわけです。
 
過去にも何度か見てきた症例をご覧下さい。
 
イメージ 3
 
実にこのZ1、異音や何か走行中に違和感を感じてのドック入りではなく、単にオイル交換という日常のメンテナンスの中で、異常を感じ早期に発見出来た一例とも言えます。最悪のケースに至る前に、オイル交換で異常を発見出来たのはラッキーだったと思います。ちなみに、このアウトプットベアリングを交換するのは、ミッションカバーを開けるだけでは不可能で、腰下を割る事になりますから、慣れていないと荷が思い作業かもしれません。
 
また過去にナットが緩んでスプロケが遊んだ事のある車輌等は、特にこの部分のチェックをお願いしたいと思います。チェックのついでに折れやすいリターンスプリングも同時に交換すれば一石二鳥でオススメです。
 
日頃行うオイル交換等の保守点検が、どれだけ大切かというお話しでした。

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