昨日復活と同時にパワー測定を行った当社のZ1000J。
年式の割には走行距離もさほどではない為マシンとしての程度は上々で、特に機械的な部分については消耗は少なかったです。
ただ、オートバイには走行距離に関係無く時間で消耗する部分が必ずあります。
まずはタイヤを含むゴム部品。
まあ、タイヤに関しては真っ先に目が付く部分ですし、まさか数十年前のタイヤでそのまま攻めても大丈夫だろうなどという迂闊な人は昨今いないだろうとは思います。
見落とされ易いのが電装系。
その中でも写真のバッテリーコードなんかは腐食しているのが普通です。
バッテリー側は端子のアップ。
銅線表面が酸化腐食しています。
これぐらい酸化が進むと銅線の柔軟性も低下してきますので、特に振動の影響を受け易い太いコードは露出部分でポキポキ折れたりします。
エンジンアース側。
洗車時の水や雨にも晒される部分なので、明らかな腐食がみられます。
マウント用のボルト表面も錆びています。
純正のコードは半田付けされてませんからカシメ部分の銅線が腐食すれば抵抗が増えるばかりでなく、断線する場合もあります。
ここはセルモーターを駆動させる大きな電流がバッテリー間でも流れるところですし、抵抗が増えると充電性能にも影響が出ます。
リング状になっている端子は、フレームをアースするコード。
オス端子の方は、メインハーネスとのアース接続。
これらのコードの銅線も腐食して抵抗値が増えています。
J系の場合、Z1000P用としてバッテリーコードは純正部品としてまだ入手が可能です。
ドレスアップパーツよりエンジン自体の整備より、まず最初にこれらの部品から手をつけることをお奨めします。
セルが廻りにくかったりバッテリーの充電効率が落ちるぐらいはまだいい方ですが、ある日バイクがうんともすんとも言わなくなりますので。