プラグコード(イグニッションワイヤーとも言いますが)の芯線部分ですが、現入手可能なものは大別すると昔から存在する銅線タイプものと、極細のワイヤーがコアにスパイラル状に巻き付けてコーティングしてあるカーボンコアの2種類に分かれます。
特にカーボンコアのものはコードそのものから発生するノイズが少ない為、それらを嫌うオーディオを含む電装の複雑な4輪では結構昔から主流になっています。
さて当社でも使用率の高いSP2イグニッションコイルですが、低抵抗かつ高エネルギーを発生する事の出来る信頼性の高いものです。
ただ、このコイルにカーボンコアコードを使用する際には、特に確実に装着する必要があります。
SP2コイルにコードを取りつけする際ですが、カーボンコア芯線と内部のターミナル部分との接触が甘かったりすると、エネルギーが強烈な分その微小な隙間で空間放電が発生します。
どういう事かと言えば、イグニッションプラグ先端での放電現象が、挿し込みしているプラグコードの先端で起きるわけです。
さて、高電圧の空間放電が行われると、その部分は焼けて損耗していきます。イグニッションプラグの先端が摩耗して丸くなるのは放電部分がイオン化してしまうからですが、カーボンコアコードの髪の毛の様に細いスパイラル線に空間放電が起こった場合は実際みるみるうちに無くなってしまいます。
結果この様に完全に芯線は無くなりました。
他の部分もこの通り。
出っ張っている部分が僅かに焼け焦げながら残っているだけで、この状態では芯線はイグニッションコイルのターミナルとは既に接触はしておりません。
それでも何とかスパークしていたのは、電圧が高い為に内部で放電伝達されていたからなのですが、その際にエネルギーは減衰しますから実際にプラグの方で行われれるスパークの方は不整脈の様に調子が悪かったです。
芯線が銅の場合はこの様な焼けや損耗は生じ難いので、当社のSP2プラグコードセットでは銅線タイプのコアのものを使用して、更に内部での接触不良の可能性を無くす為にファクトリーで端子を確実にカシメした状態でデリバリーしています。
使用するには適当な長さに切ってイグニッションコイルに押込むだけです。
但し、銅線タイプの場合は耐久性のある分コード部分そのものに抵抗によるノイズ抑制効果が期待出来ませんから、プラグキャップもしくはイグニッションプラグのどちらかには必ず抵抗が必要です。
従ってセットのキャップは5kΩの抵抗入りです。