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当然の出来事

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年々純正部品が廃盤となってゆく空冷Z。それでも同じ様な年式同士で比較すれば、メーカーも随分と頑張ってくれている方だと思います。エンジンに関して言えばカワサキらしく、大きく設計を変えず長年に渡って基本設計を共有しながら車種展開をしてきた事も手伝っているのでしょう。
 
しかし、状態によっては修復の難しいクランクシャフトやヘッド等は中古部品を探すしかありません。またクランクシャフトを筆頭に我々の様な小規模ショップが舵を取って復刻する事が難しい物も少なくはありません。似たような形の「物」を造る事は出来ても、品質と同等かそれ以上となると厳しいのが現実です。厳密に言えば、初期投資を抑えながら「小ロットで低価格」が難しいわけです。極端な言い方をすると、クランクでもZ1用を1万本、MK2用を5000本、Z2用を5000本・・・初期費用に数千万が許されるのであれば(可能なら)純正クオリティにて国内生産が可能となるかもしれません。
 
イメージ 1
 
例えばこのマグネットローター。鉄製のコア部分と磁石そしてアルミと三種材から成り立った部品ですがメーカー廃盤になってから久しく、中古でも良品の入手が困難になりつつある部品です。過去に何らかの原因による「カラ回り」等により、内部のテーパー部分が荒れてしまい、クランクエンドテーパーとの接触面積が減少→カラ回り再発といった症状を慢性的に抱えている物や、画像の様にいつバラバラになってもおかしくないはない状態の物まで。エンジン開けてこの箇所が酷く傷んでいると、その時点でガックリくる場所でもありますね。
 
イメージ 2
 
すちーるコアとアルミとの境界線に本来有ってはならない隙間が発生しています。この隙間は加速→減速(エンブレ)→加速というリズムの中で絶えず前後方向への動きとなり遊び続けており、この隙間はどんどん大きくなってゆきます。特に無用な空吹かしはロードの掛かった加速減速よりも圧倒的に速い回転上昇を伴った動きですので尚更症状を悪化させるでしょう。
 
イメージ 3
 
そしてスチールコアとアルミの境界が大きくなるにつれ、ガタついた際のインパクトも大きくなり弱いアルミ部分がご覧の様に崩壊し始めます。ここをZのアキレス腱と呼ぶ場合もありますが、冷静に考えれば生産から40年も経った車輌と考えれば頑張ってくれたと方なのではないでしょうか。
 
全ての廃盤パーツ対応品に言えるのですが、ここは純正部品と全く同じ設計と品質で復刻されるのか、もしくは現代の技術と設計で全く新たな物として対応部品を造るのか、全く同じ物なら純正同等で当然。ならば後者の様に一捻りが有っても組んでしまえば見えない機能部品の場合は尚更面白いかと個人的には思います。
 
 
 
 

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