おかしな形にカットラインを入れたJ系ヘッドカバー。
別にカットモデルを作ろうとしたわけではありません。
これを見ただけで何に使うか理解する人はご同業のメカニックか、J系エンジンのチューニング経験者もしくは単に危ない人です。
これは以前使っていたものが壊れたので2代目。
カムスプロケットの間をチェーンを押さえるアイドラーがシリンダーヘッド側に装着されているZ1系エンジンは、カバーを外した状態でバルブタイミングを見る事が出来ますが、同じ機能を持つカムチェーンスライダーがヘッドカバー側に装着されているJ系の場合、ヘッドカバーを外すとインテーク側の正確なバルブタイミングを測る事が出来ません。
ノーマルカムとメーカー指定のバルブタイミングのみ使うのであれば、カムチェーンの長さが規定内の伸びに収まってさえいればコマ数を数えて組むだけで許容範囲内のタイミングに収まるようになってはいます。
但し、より精度を高めたり任意のタイミングに設定したり純正意外のカムシャフトを使用する場合には、カバー側のスライダーでチェーンを押さえた状態で中が見える様にする必要がある為にこういった類のツールが必要になります。
特に当社だけのノウハウだなどと語る程の物では無く、Z系(特にJ系)を専門に弄っているショップやチューナーのファクトリーのどこかには必ず同種のものが置いてあります。
ちなみに左側の半分くらい切ってしまっても剛性は十分ですし機能上も問題無いのですが、当社で使う場合は残しています。
何故かと言えば、年中使うわけではない特殊工具ですが、こういった工具は矢鱈にありますから、仕舞いこめる大きさにしてしまうと何処に置いたか判らなくなる可能性があったりするからだったりします(笑)。